遊びをせんとや生まれけむⅡ

文=中村敦夫

怒ると、顔をそむける

馬は人間の感情を理解できる?

 

 テレビのミニ・ニュースで、ちょっと笑えるネタに出合った。動物学会の大発見で、馬は人間の感情を理解できるそうだ。
 
 馬を正面から睨みつけ、大声で怒鳴ると、馬は首ごと右を向き、左目だけで人間の表情を窺う。それ以降、馬を睨みつけただけで、同じリアクションをくり返すという。
 
 人間の感情を理解し、それに反応するのであれば、「馬耳東風」は死語になる。
 
 それにしても、何で今まで、こんな単純なことが分からなかったのか?
 
人間と馬の関係は密接で、何千年ものつきあいの歴史がある。生物学も動物学も進歩してきたが、心理学の部分だけをスッポ抜かしてきたのだろうか?
 
 馬が人間の感情を理解できるのなら、さらに深く精密に、コミュニケーションを築く道があるかも知れない。
 
 ひょっとしたら、ほとんどの動物たちは、知識量は少なくとも、生き方に関する理解力や判断力においては、人間より賢いかも知れない。東大法学部卒の高級官僚が、子どもでも分かる嘘を連発するのを馬や鹿が見たら、「バーカ」と軽蔑するにない。

 この放送がきっかけで、私は自分と馬の接点を思い出した。

……続きはVol.36をご覧ください。

なかむら あつお

元参議院議員、俳優、作 家、脚本家。1940年東京 生まれ。東京外国語大学 在学中に演劇に興味を持 ち、大学を中退、劇団俳優 座に入る。65年にはEWC 奨学生演劇部門試験に合 格、ハワイ大学に留学し、アメリカ社会の研究を する機会を得る。72年に出演したテレビドラマ「木 枯し紋次郎」が空前のブームになりその後数多く のドラマで主演を務める。84年にはテレビ「地球 発22時」でキャスターを務める。現在、日本ペンク ラブ理事、環境委員を務める。著作に『チェンマイ の首』『ジャカルタの目』『マニラの鼻』『ごみを喰 う男』『暴風地帯』『簡素なる国』など。

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