新・日日是好日

文=帯津良一

転ばぬ先の杖

衆目を集めてしまった 〝養生の大家〟の居眠り

 

養生とは転ばぬ先の杖だという。 養生の大家を自認している私が転んでしまった話をしよう。忘れもしない十月十四日の土曜日。場所は一ツ橋の学士会館。サトルエネルギー学会の秋の大会が開かれていた。

自分の発表が済んで、最前列の演者席につく。朝が早いので、座るといつの間にか睡魔におそわれる。最前列でこっくりこっくりとやったのでは衆目を集めることになるので、平生は最後部につくことにしているのに、このときは、会長を務めていることもあって最前列に座ってしまったのである。不覚の至りである。

最後の演者の前半まではしっかりと聴いていたのであるが、後半になって睡魔に負けてしまったのである。まさに終わろうとするときに、椅子から転がり落ちて、床に右上半身を打ち付けたのだ。同時に右の鎖骨がぼきっと折れる音。あわてて立ち上がって居住まいを正したのはさすがだったが、まさに衆目を集めて しまったのである。

廊下に出て、わが病院に電話。たまたま宿直が整形外科医であることを知って、小躍りして帰院。レントゲン写真を見ながら、これは手術した方が良いとのご託宣。三日後の火曜日に手術しましょうという。しかし、土曜日に姫路市にて講演。月曜日に広島市での講演が入っている。 術後の経過によってはこれらをキャンセルしなければならない可能性も出て来る。

‥‥‥続きはVol.34をご覧ください。

おびつ りょういち

帯津三敬病院名誉院長。日本ホリスティック医学協会名誉会長。1936年埼玉県生まれ。61年東京大学医学 部卒業。東京大学医学部第 三外科医局長、都立駒込病 院外科医長などを経て、82 年帯津三敬病院を開設し院長。西洋医学だけでなく、中国医学、ホメオパシー、代替医療など様々な療法を駆使してがん診療に立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学の確立を目指している。 新刊は『毎日ときめいていますか?』(風雲舎)など。講演会、養生塾などの開催については、 http://www.obitsusankei.or.jp/ をご覧ください。

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