cinema 7月14(土)ロードショー『PEACE●NIPPON ピース・ニッポン』

日本に恋したくなる 絶景と日本人の精神の神秘

 

文:川口力哉

 

日本美のオンパレード

 

40歳を過ぎてから、故郷に戻りたいという願望は年々高まっている。青春真っ只中の10代の頃、和歌山の夜空に浮かぶ星たちを見上げながら、上京たいと願ったのと全く逆の想いである。東京の夜空に輝く数えるほどの星を見つめては、白浜を基点として背後に控える熊野の大自然をよく思い起こす。そんな中、今回の試写会の案内が届いた時、絶対にこの映画は観なてはと強く思った。全国200か所の絶景ポイントを8年間追い続けて撮影・編集したという本作は、「極上の映画体験」と銘 打った文字通り、映像を通して体感できる最高のバーチャルトリップとなっている。
 
3部構成「日本人の精神性」「日本の四季」「一期一会の旅」から成る111分には、日本人に馴染みのある「桜」「花火」「祭り」「富士山」といった風景から、これが日本なのか? と思わず目を疑 ほどの絶景と美がちりばめられている。中には数年に一度しか訪れない奇跡の瞬間を撮影したという貴重な映像をはじめとして、父島の夜空を彩る壮大な天の川、地獄谷の野生の猿の温浴など、次々に移り行くスクリーンの中の世界は万華鏡だ。まさにこの映画は、日本人ならば死ぬまでには一度は見ておきたい日本美のオンパレード そのものと言えるだろう。

 

まだ知らない日本

 

 最近、アメリカ人留学生のベンさんと友達になった。彼は休みともなると沖縄から北海道まで各地の観光地をしらみつぶしに回っているバックパッカーであり、日本の自然に魅了された一人だ。今、世界各国から多くの観光客が訪れているのも、かつて「ジパング= 黄金の国」と呼ばれた日本の自然美が再発見されているからに他ならない。本作では、小泉今日子東出昌大によるナレーションも興味深い。何となく知っているようでいて本当は知らない日本人の宗教観や、夏祭りには欠かせない花火に込められた先人たちの想い、京都の嵐山がかつて貴族のリゾー ト地だったエピソードなど、本作によって改めて知ることも多い。
 
 冒頭の話に戻るが、この日本で40年以上も暮らしてきた私だが、 本作で紹介された映像は初めて目にするものも多く、「あなたはまだ、本当の日本の美しさを知らない」と言い切ったキャッチコピー も大いに頷ける。個人的には全国200か所のうち、故郷和歌山からの選出が5か所もあったことを誇りに思う。「故郷は遠きにありて想うもの」と室生犀星は言ったが、都会の映画館で再発見する れぞれの故郷はきっといろんな想いを呼び起こしてくれそうだ。

©2018 PEACE NIPPON PROJECT LLC

『PEACENIPPON ピース・ニッポン』

監督:中野裕之
ナビゲーター:小泉今日子、東出昌大
出演:渡辺大、及川さきの  劇中歌:竹内まりや「いのちの歌」
7月14日(土)より新宿バルト9他にて全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム 

かわぐち りきや

俳優。1975年和歌山県生まれ。早稲田大学理工学部卒業。主な出演作は映画『THE GODDESS OF 1967』(オーストラリア映画)、『李歐』の主演をはじめ『凶気の桜』『阿修羅のごとく』『タッチ』『テニスの王子様』 『スマイル 聖夜の奇跡』『龍三と七人の子分たち』、 テレビ「もっと恋セヨ乙女」「危険な関係」「芋たこなんきん」「ヤスコとケンジ」「行列48時間」「ギルティ 悪魔と契約した女」「白虎隊」、舞台『座頭市』など。 著作に小説『ピースマン』がある。現在、世田谷深沢に開校した、小中生を対象とした未来創造スクール「GREEN STAR」の代表を務める。


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