新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』の役者たち

江戸時代から継承される演目を上演しながらも、現代人を感動させるテーマをもった新作に取り組み 常に〝時代とともに生きる〟歌舞伎であったからこそ、
歌舞伎は、今も多くの人々に支持されているのだろう。
この8月、人気コミック『NARUTO︲ナルト︲』が、新作歌舞新橋演舞場にて上演される。
主役の(うずまきナルト)と(うちはサスケ)を勤めるのは、 坂東巳之助︑中村隼人の当代若手花形役者︒ 最強の敵となる(うちはマダラ)は市川猿之助と片岡愛之助が交互に勤める。
脚本・演出を手掛けるのは、巧みな構成と演出力に定評があるG2。
主演の巳之助、隼人、そして2人にとって心強い同士となる愛之助に 『NARUTO︲ナルト︲』、そして歌舞伎への思いを語ってもらった。

文=二見屋良樹 撮影=平岩亨


ばんどう みのすけ    十代目坂東三津五郎の長男。1995年歌舞伎座『蘭平 物狂』の繁蔵と『壽靭猿』の小猿で二代目坂東巳之助 を襲名し初舞台。骨太な個性が光る若手花形役者であ る。スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では、ゾロ、ボン・ク レー、スクアードの三役を演じ、好評を博した。三谷幸喜 監督『清須会議』をはじめ映像でも活躍中。

なかむら はやと  中村錦之助の長男。2002年歌舞伎座『菅原伝授手習 鑑 寺子屋』の松王丸一子小太郎で初代中村隼人を名 乗り初舞台。次世代の花形役者として 注目される若手の 一人。スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』では、サンジ、イナ ズマ、マルコの三役を颯爽と演じた。テレビドラマや料理 番組など映像でも活躍中。

かたおか あいのすけ   1993年大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目として 片岡愛之助を襲名、94年に名題昇進。二枚目から敵役、荒 事まで幅広い役柄をこなし、上方歌舞伎の継承に勤めながら、 「システィーナ歌舞伎」などで歌舞伎の新しい可能性の開拓に も力を注ぐ。ミュージカル 、ストレートプレイにも意欲的に出演し、 ドラマ「半沢直樹」「真田丸」など映像でも活躍中。10月から のNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」にレギュラー出演する。

〝時代とともに生きる〟歌舞伎は 誰もが楽しめる エンタテインメントである。

 

人気コミックを歌舞伎化した2015年初演の『ワンピース』は、従来の歌舞伎ファンに加えて、子供を含む歌舞伎初体験という新たな客をも取り込むことに 成功し再演を重ねている。やはり「週刊 少年ジャンプ」の看板コミックであり、 単行本が72巻にも及ぶ岸本斉史原作『NARUTO―ナルト―』が、8月の新橋演舞場に新作歌舞伎としてお目見えすることとなった。主役の〈うずまきナルト〉を坂東巳之助、〈うちはサスケ〉を中村隼人が演じる。『ワンピース』でも、それぞれ3役を勤め、好評を博した2人だ。

「今回の舞台には原作の1巻から72巻までの全編が組み込まれます。当然、上演時間の制限もあり、削られるところもたくさんあるなかで、ナルトとサスケという2人の対比という部分に焦点が当てられ、2人の関係性というものを強く際立たせることが重要になります。基本的には原作に則ったストーリー展開の中で、2人のすれ違い、和解、ぶつかり合いといった流れを丁寧にお見せできる舞台にしたいです」と、連載が始まった当初か ら原作を読んでいた巳之助の頭には、すでに芝居の青写真が描かれているよう だ。隼人も頷きながら「原作のファンの 方たちに、失望されないようにサスケにアプローチできれば」と爽やかな意欲を見せると、さらに巳之助が「原作通りにしなければいけないところと、原作通りでは舞台では成立させられないところのバランスのとり方については、お互い『ワンピース』での経験が活かせるところではないかと思います」と。

  巳之助は隼人を「まず顔がカッコいい のに、そこに甘えない姿勢がすごい。決して器用なタイプではないと思いますが、知ってか知らずか自分の魅力の見せ方というものを、どんどん身につけていっているのを隣で見ていると恐いなと思いますよ」と称賛すれば、「巳之助兄さんは人とは違った独自の目線で物事や 芝居を見つめて、人が真似できない兄さんにしかできない芝居を見せてくれます。 20 代という若さですでに、芝居に対する確固たる信念というものを持ってい る姿は凄いなと感じます」と憧れと尊敬の念を寄せる。相手の魅力を認め合えるのもまさにナルトとサスケの関係性に通じるものがあるのではなかろうか。
  ナルトとサスケの前に大きく立ちはだ かる最強の敵が〈うちはマダラ〉。この敵役を、市川猿之助、片岡愛之助が交互に演じる。

(‥‥‥続きはVol.36をご覧ください)

新作歌舞伎『NARUTO─ナルト─』

新橋演舞場にて8月4日(土)~27日(月)
原作:岸本斉史『NARUTO─ナルト─』 (集英社 ジャンプコミックス刊)
脚本・演出:G2 出演:坂東巳之助、中村隼人、市川笑也、市川笑三郎、中村梅丸、市瀬秀和、嘉島典俊、市川猿弥、 市川猿之助・片岡愛之助(交互出演)
観劇料(税込):一等席14,500円/二等A席8,500円/ 二等B席5,000円/三階A席5,000円/三階B席3,000円/ 桟敷席15,500円

〔住〕中央区銀座6-18-2
〔問〕チケットホン 松竹0570-000-489 または03-6745-0888(10:00~18:00)


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