サントリーラウンジ イーグル

むかし、イーグルは「二幸ウラ」だった。アルタなんて建物が出来る前だ。新宿東口駅前の通りから一本入った裏通り。いきなり地下に吸い込まれそうな階段を下りると、途中で出くわす自動ドアがさっと勢いよく引き、外の喧騒を遮断して客を招じ入れる。

イーグル、そこは足かけ50年になろうとしている老舗バー。きらびやかでもなく、豪奢に走るでもなく、通い慣れた者には時間がとまったような空間だ。50年変わらないクラシックなしつらえが醸し出す安心感。きびきびとしたバーテンダーの所作。決して客に媚びない、狎れない会話。フードメニューも、その味も変わらない。

酒棚の「白州」が目に飛び込んでくる。何とシンプルで爽やかな名だろう。自然の懐深い地にある蒸溜所の名を冠した銘酒だ。森の中で呼吸し育まれたウイスキーです、とバーテンダーが言う。仕込みから発酵、蒸溜、貯蔵に至るすべての工程でつくり手のこだわりとともに自然の恩恵を受け、ことに南アルプスの花崗岩層で磨かれた天然水に恵まれているという。森の中の貯蔵庫に眠る原酒は、長い年月の熟成を経て旨みが凝縮され、何もひけらかさず、騒がず、静かにその時を待つ。イーグルが守り続けてきたこだわりとどこか似ている。

「白州を、ハイボールで!」
思わず口をついて出た。森の中で育まれた白州には、ハイボールがよく似合う。
氷を惜しまず8オンスに満たし、白州を1とし、次にソーダ3程度を細やかな泡立ちで注いでから、マドラーでタテに1回混ぜる。炭酸を逃がさないよう、かき混ぜ過ぎないことが旨さの秘訣とか。喉を通るきりりとした清涼感と同時に、白州の芳醇な香りが広がる。ウイスキーの香りを守るため炭酸が勝ち過ぎないようにするのもイーグル流。

撮影・KOGO INOUE

特選牛ヒレのお刺身をたっぷりの白髪ねぎとゴマ油風味のタレが旨さを引き出す、1974年来の特選料理「霜降りビーフ」1,600円。秘伝のゴマ味噌でいただく新鮮な野菜スティック660円。千切りのポテトを網状にしてカラッと揚げた中に盛られた紹興酒風味の「牛肉と野菜の四川風」は1978年からの人気メニュー、1,350円。その他洋風カニミソバター880円、ビーフ・ストロガノフ1,960円、スモークサーモン1,000円、エスカルゴ(フランス産)1,300円など、どれも長く愛されてきた。白州(ノンエイジ)シングルモルトは530円。

サントリーラウンジ イーグル
[住] 新宿区新宿3-24-11 セキネビルB1、B2
[問] 03-3354-7700(代)
[営] 月~土曜 17:30~翌0:30(L.O.0:00)、日・祝日 17:30~翌0:00(L.O.23:15) 19:30までは予約が可能。
[休] 年末年始(12月31日・1月1日~3日)


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