藤田俊太郎の下北沢~第三景 小劇場の町という横顔~

1982年 11 月3日、下北沢に本多劇場が開場した。下北沢が〝演劇の町〟〝小劇場の聖地〟などと呼ばれる始まりである。
以来 35 年、夢の遊眠社、第三舞台など多くの劇団がこの劇場で数々の上演を行った。
芝居を観た後は、作品の余韻に浸りながら、 昼の公演であればコーヒーを飲んだり、夜であれば酒を飲みつつ 観てきたばかりの舞台のことを語りたいものだ。
下北沢には、それを楽しむことができる店がそろっている。そんな下北沢の町の特性が、演劇活動とうまく折り合い、〝演劇の町〟として活性化した部分があるに違いない。
本年、読売演劇大賞の優秀演出家賞を受賞したばかりの 演出家・藤田俊太郎さんと一緒に、本多劇場から町歩きをスタートさせた。

photograph by Tadashi Okakura

今回、下北沢を一緒に歩いていただくのは演出家の藤田俊太郎さん。昨年上演されたミュージカル 『ジャージー・ボーイズ』の日本版初演の演出で、本年、読売演劇大賞で優秀演出家賞を受賞し、作品は最優秀作品賞に輝いた。

ニナガワ・スタジオで 10 年余り蜷川幸雄さんの作品の演出助手を務めた藤田さん。「単なる翻訳物を超える密度で新鮮な驚きに満ちた舞台」「オリジナル版が 凡庸に思えるほど刺激的な舞台」「蜷川幸雄の遺志を受け、師の演出手法を現在形に生まれ変わらせた。鮮やかな精神のリレーだった」などなど、 数多くの賞賛の言葉が藤田さんと作品に贈られた。

さらに言えば、主演の中川晃教は最優秀男優賞を受賞している。

ふじた しゅんたろう

演出家。1980年、秋田生まれ。東京藝術大学 美術学部先端芸術表現科在学中の2004年、 ニナガワ・スタジオに入る。当初俳優として活動したのち、05年以降16年まで蜷川幸雄作品に演出助手として関わる。11年、『喜劇一幕・ 虹艶聖夜』で作・演出を手がけ、さいたまゴー ルド・シアター、ネクスト・シアターの俳優が出演し、新宿ゴールデン街劇場で上演された。劇場には今でも、観劇に訪れ た蜷川幸雄と一緒に写った写真が飾られている。

12年、彩の国さいたま芸術劇場さいたまネクスト・シアター『ザ・ファクトリー2(話してくれ、雨のように……)』の演出担当。14年の『The Beautiful Game』(新国立劇場)で読売演劇大賞の優秀演出家賞、杉村春子賞を受賞。その後、『美女音 楽劇 人魚姫』、ミュージカル『手紙』『テイクミーアウト』などの演出を手がける。16年シアタークリエでのミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で読売演 劇大賞の優秀演出家賞を再び受賞、再演が決定している。5月には松岡昌宏と土井ケイトの二人芝居『ダニーと紺碧の海』(5/13~5/21、紀伊國屋ホール〔問〕03-3477-5858パルコステージ)の演出を手がける。また、絵本ロックバンド〈虹艶Bunny〉としてライヴ活動も展開中。


新着記事

おすすめ記事

児玉清さんが遺したことば

浜美枝さんの箱根

Present

WEB限定プレゼント

Category

from Readers

Club