眞島秀和の伊勢原~当世風「大山詣で」~

江戸中期以降、寺社参詣を兼ねた物見遊山の旅が増え、江戸の庶民たちも江の島・鎌倉、成田山、富士山などに出かけた。また伊勢参りは、一生に一度の贅沢ともされた。
なかでも特に人気が高かったのが「大山詣で」だ。富士山まではなかなか足を延ばせないが相州大山あたりだと江戸から手頃な距離だったのだろう。
時代小説にも描かれ、落語の「大山参り」でも知られる〝江戸庶民もすなる〟大山参詣なるものを味わってみようと新緑の候︑俳優の眞島秀和さんを誘って丹沢・大山国定公園の表玄関である伊勢原へと向った。

(2013年7月1日号 Vol.16より) photograph by Tadashi Okakura

関東各地から大山への参詣者が通る道が「大山道」として定着し大山を中心に放射状に広がり、関東四方八方の道はすべて大山に通じるほどになった。ちなみに国道246号線も世田谷通りも大山詣でのためにできた大山道である。当世風大山詣でに活用したいのが2日間有効の〈丹沢・大山フリーパスAキップ〉というお得なキップ。小田急線往復と神奈川中央交通バスに大山ケーブルが付いて新宿からだと2140円。というわけで、今回の旅気分の散策は新宿駅からスタート。

ご一緒いただいたのは俳優の眞島秀和さん。大山の玄関口となる小田急小田原線伊勢原駅までは、急行で約1時間。駅北口のバス乗り場から〈大山ケーブル行き〉に乗り込む。終点の大山ケーブルまでは30分程度。伊勢原の町中を抜けると、田園風景が広がり丹沢の山々が近くに感じられてくる。大山詣でといえば、年配の山ガール&ボーイの楽しみかと勝手に思っていたが、意外に若い人たちも多い。この日のバスには8人のフランス人の若者グループが乗り合わせた。今や、大山詣でも国際的な娯楽のようだ。バスを降りると〈こま参道〉と呼ばれる石段の道をケーブルカー乗り場に向う。大山には〈大山独楽〉という大山信仰と共に発達した縁起のよい郷土玩具がある。こまのようによく知恵がまわる、というわけだ。

ましま ひでかず

俳優。1976 年山形県米沢市出身。99 年に映画『青~ chong97~』で主役デビュー後、映画、テレビドラマと数多くの作品に出演し、現在も出演作が途絶えることがない。テレビ「アンフェア」「海峡」「チーム・バチスタの栄光」「天地人」「ゲゲゲの女房」「なぜ君は絶望と闘えたのか」「JIN-仁-」「下流の宴」「下町ロケット」「運命の人」「遺留捜査」第2、3シリーズ、映画『突入せよ! あさま山荘事件』『美しい夏キリシマ』『スウィングガールズ』『血と骨』『心中エレジー』『フラガール』『HERO』『フィッシュストーリー』『SP THE MOTION PICTURE 革命編』『草原の椅子』など数多くの出演作がある。山形県及び米沢市の観光大使も務めている。


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