Special Feature

PARCO劇場「第二幕」

観客ファーストの姿勢を貫くプロデュース公演

 

1973年、西武劇場として 開場した現・PARCO劇場。 当時、演劇の街といえば銀座・日比谷地区と新宿が人気を二分していたが PARCO劇場の誕生により演劇地図は塗り替わっていくことになる 。 開場当初、時代の先端を行くアヴァンギャルドな芸術作品の上演は 若者層の心をとらえ、瞬く間に劇場の知名度は上がっていった。 この劇場の大きな特徴は、文化事業として 劇場が自らプロデュースを行っていること。 そして、積極的に若い演劇人の育成に取り組み演劇史上に名を刻む多くの 創作劇を誕生させることになっていく。 渋谷PARCOの建て替えのために休館した2016年までの 43年間の上演作品は約1200作。 そして2020年春、PARCO劇場「第二幕」ともいえる新たなシーズンが開幕した。

文=杉山 弘 企画協力&写真・ポスター画像提供:株式会社パルコ

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1973年の渋谷PARCO開店 と同時に開場したPARCO劇場(当時は西武劇場、85 年から現在の名称)は、制作者が企画し、俳優や演出家・スタッフを集めて上演する劇場プロデュース公演の先駆けとして、また若者文化発信の核として「演劇の街・渋谷」を創造してきた。建て替え工事のために休館した2016年までの43年間、演劇作品を中心に約1200作品 を制作。井上ひさし、寺山修司、つかこうへい、唐十郎、清水邦夫、蜷川幸雄、宮本亞門、三谷幸喜、宮藤官九郎、本谷有希子ら、一部の演劇ファンから圧倒的な支持を受けていた若い才能を積極的に招いて新作を上演しニューヨーク・ブロードウェイやロンドン・ ウエストエンドなど世界の演劇界へ羽ばたくきっかけも作り出した。今春、3年半の休館を経て再開場し「第二幕」となるオープニング・シリーズが始まっている。

 PARCO劇場と聞いてどんなことを思い浮かべるだろう。「渋谷にあ るオシャレな劇場」「客席と舞台が近 い濃密な空間」「細川俊之と木の実ナナの『SHOW GIRL』が懐かしい」「三谷幸喜の新作で歌舞伎や文楽を初めて見た」「美輪明宏のトークと歌声を楽しんだ」「立川志の輔の落語 に笑って泣いた」「クドカン(宮藤官九郎)の怖い芝居が印象に残っている」など、様々な声が聞こえてきそうだ。 よく言えばバラエティに富んでいるが、劇場のカラーに統一感がないようにも映る。しかし、このまとまりのなさがPARCO劇場の武器であり、奥深さでもある。

  今では若者の街として定着している渋谷だが、半世紀前は渋谷川の流れ 静かな住宅街と花街・飲食店が同居する大人の街だった。大きな変貌を遂 げたのは1984年の東京五輪からだった。代々木公園に選手村が置かれ、代々木体育館では競泳とバスケットボールが、渋谷公会堂では重量挙げが実施され、公共放送のNHKが内幸町から渋谷に移転を始めた。そのNHKが全面移転した73年にPARCO劇場が開場している。政治の季節だった 当時を振り返れば、若者文化の中心は新宿で、文学座や民藝などの劇団公演やアングラ芝居が盛んに上演されていた。歌舞伎や宝塚歌劇を上演する銀座・日比谷地区と人気を二分していたが、PARCO劇場の誕生とともに演劇地図は塗り替わっていく。

…… 続きはVol.43をご覧ください。

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すぎやま ひろむ

1957年、静岡市生まれ。81年に読売新聞社入社。芸能部記者、文化部デスクとして30年間にわたり演劇情報や劇評の執筆、 読売演劇大賞の運営などを担当。2017年に読売新聞社を退社し演劇ジャーナリストとして「読売新聞」「テアトロ」「join」などで原稿を執筆。公益社団法人・日本劇団協議会理事。読売演劇大賞、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、日本照明協会賞の選考委員。共著に『芸談』(朋興社)、『唱歌・童謡ものがたり』(岩波書店)など。

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