22.08.05 update

吉永小百合さんからも応援メッセージが届いた、8月5日公開『長崎の郵便配達』

 8月5日( 金)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開となったドキュメンタリー映画『長崎の郵便配達』。本作は、映画『ローマの休日』のモチーフとなったといわれるタウンゼンド大佐が、被爆した長崎の少年と出会い、ノンフィクション小説『THE POSTMAN NAGASAKI』を出版。タウンゼンド氏の娘であり、女優のイザベル・タウンゼンドさんが、父の著書とボイスメモを頼りに、父と少年の想いを辿っていくというドキュメンタリー映画である。

 1945年8月9日、郵便局員として配達中に被爆した谷口稜嘩(スミテル)さんは当時16歳。背中一面に重度のやけどを負った。被爆から約3年7ケ月の治療を経て奇跡的に生還し郵便局員に復職した。谷口さんは、日本原水爆被害者団体協議会の代表をつとめるなど、2017年8月に亡くなるまで、約70年にわたり、被爆者運動を牽引した。

 2015年には、ニューヨークの国連本部で開催された「核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議」で、スピーチもした。「赤い背中の少年」として世界的に知られる写真をかかげ、「3年7ケ月の闘病生活の間、1年9ケ月うつぶせの状態で身動き一つできなかったので、胸が床ずれで腐りました。胸は今でもえぐり取られたようになり、肋骨の間から心臓の動いているのが見えます。私はこんな状態で今日まで生きてきました」と、原爆の恐ろしさ、深い傷について語った。

 谷口さんは、ピーター・タンゼンドさんの著書『THE POSTMAN NAGASAKI』の復刊を誰よりも望んでいたという。

 ウクライナ侵攻が始まり、「核兵器」という言葉が他人ごとではなくなってきた。生涯をかけて核廃絶を世界に訴えた谷口さん。その願いが込められた『長崎の郵便配達』は、貴重な作品である。

35年以上にわたり、原爆詩の朗読活動を行う吉永小百合さんからの応援コメントは、以下の通り。

2015年の夏、長崎で私は谷口さんのスピーチ「平和への誓い」を聴きました。
被爆後1年半以上も俯せのまま治療を受けていた谷口さん。
核兵器廃絶への強い思いに、私は胸がいっぱいになりました。
「長崎の郵便配達」を多くの方達に観ていただきたい。そして核兵器の無い世界の実現のために、みんなで努力出来たらと願っています。吉永小百合


『長崎の郵便配達』
8月5日(金) シネスイッチ銀座ほか全国公開
©️The Postman from Nagasaki Film Partners

映画は死なず

新着記事

  • 2024.04.23
    窓枠は世界を広げてくれる

    木々の変化、風景の変化が面白い

  • 2024.04.19
    ゴールデンウイークのお出かけに!麻布台ヒルズギャラ...

    4月27日(土)~5月23日(木)

  • 2024.04.19
    箱根の宿には「おかみ」の行き届いたホスピタリティが...

    杉山留里(箱根おかみの会 会長、「和心亭豊月」女将)

  • 2024.04.19
    国の「重要文化的景観」に選定された<葛飾柴又>の知...

    京成電車下町さんぽ<1>

  • 2024.04.18
    トヨタのマークⅡでドライブしながら何度も聴いた、稲...

    「ハコバン」から28歳でデビュー

  • 2024.04.18
    韓国アイドルグループ「2AM」のジヌンもバスケット...

    4月26日(金)全国公開

  • 2024.04.17
    渡り鳥のように、4箇所をぐるぐる ─萩原 朔美 ...

    第12回 キジュからの現場報告

  • 2024.04.17
    利発で、正義感が強く、潔癖で、ちょっぴり生意気で、...

    昭和30年後半の大映映画の青春スター

  • 2024.04.11
    相模原出身のロックバンド (Alexandros ...

    相模大野駅の列車接近メロディ

  • 2024.04.11
    下町の太陽、庶民派女優といわれながら都会の大人の女...

    150万枚のミリオンセラーを記録

特集 special feature 

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

information »

new ロマンスカーミュージアムが3周年記念イベントを開催!

イベント ロマンスカーミュージアムが3周年記念イベ...

4月10日(水)~5月27日(日)

「箱根スイーツコレクション 2024」開催中 4月22日(月)まで キャンペーンも実施中

箱根 「箱根スイーツコレクション 2024」開...

Instagramをフォローして、素敵な賞品をゲットしよう

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!