new 24.04.19 update

箱根の宿には「おかみ」の行き届いたホスピタリティがある

杉山 留里(箱根おかみの会会長、「和心亭豊月」女将)


◆内向きにならず積極的に学ぶ「おかみの会」

「箱根温泉おかみの会」は、2002年(平成14)4月に設立しました。湯本地区のおかみの会(湯塔会)を基に、箱根全山のおかみが一堂に会し、親睦を深め観光業の発達や旅館の経営の在り方について情報交換をすることが主な趣旨です。 
 箱根町は都内からのアクセスもよく、日本でも有数の観光地です。しかし、現在では外資や大手グループ系列の新しいホテルができ、また日本旅館の形態も変化し、“おかみ”がいる宿泊施設は少なくなりました。私は、設立当初からメンバーでしたが、昨年4月に会長のお鉢が回ってきました。
 会の主な活動は、町内視察研修、研修旅行、講習会を中心にコロナ禍を除き毎年続けています。
 町内視察研修は箱根町内の名所・旧跡・観光施設を視察し、実際に訪ねてお話を伺うことにより、お客様への情報提供にも役立っております。研修旅行では、箱根の外へ出て普段おもてなしをする側からされる側になることで新しい発見もあり参考になります。講習会では、防災についての知識を得たり、着物の帯によるアート等を学んできました。

 今年2月には、SDGsをテーマにホテル仙景の津田かおり若女将指導のもと、SDGsのカードゲームを楽しみながら理解を深めました。時代も箱根も進化していますので、外にも目を向けサービスの向上に努めたいと思っております。

◆箱根神社を中心に箱根全山が一つになる夏祭り

 私自身は高知県の出身で、学生時代音楽サークルの活動で夫と出会い、旅館の女将になりました。「和心亭豊月」は、元箱根の箱根神社のおひざ元にあります。生まれも育ちも箱根町の夫は、箱根の歴史や文化、観光を発展させるため観光協会や町議会議員としても箱根全山に繋がり、箱根の良さを守り発展させるため、観光協会や箱根神社の方と中心になって進めてきました。

 箱根を代表する行事の一つで、毎年7月31日~8月6日は、芦ノ湖一帯で夏祭りが開催されます。これは箱根神社御鎮座1230年に始まったものですが、「芦ノ湖夏まつりウイーク」とネーミングして回を重ねてきました。
 昨年は「1266芦ノ湖夏まつりウイーク」でした。7月31日の宵宮湖水祭、8月1日には、箱根神社御鎮座1266年を奉祝する例大祭を中心に、8月5日の鳥居焼まつりまで毎日花火が打ち上げられました。それまでは小さな花火大会を各地区でやっていましたが、同じ時期に繋げることによって、迫力ある花火大会が開催できるようになりました。観光客にも喜ばれ、町が活気づき潤ったのは言うまでもありません。

「芦ノ湖夏まつりウィーク」は、箱根全山が繋がる一大行事になった(写真提供:箱根町)

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