季を遊ぶ

文=有吉玉青

春の卵

料理教室で習ったおいしい卵料理

 
  
 寒い中にも少しずつ春の足音を 感じはじめたころ、近所を歩いていて、料理教室を見つけた。いろいろなクラスがある中で、一回限りの卵料理の講座があったので、申し込んでみた。

  さて当日、教室に行くと、シェフの帽子をかぶった先生は若くて可愛い女の子。シェフ、の卵かな。まず作り方のデモンストレーションがあったが、手順を間違えたりするあたりも初々しい。

  教えてもらったのは、ふわふわのオムレツやスコッチエッグ、卵を生クリームや香草とともに器に割り入れてオーブンで焼き、半熟気味にするココットなど。

  料理教室に行くのは、学生時代以来だろうか。カルチャーセンターの初心者コースに通い、いろいろ失敗をして、「これをしたのは誰ですか?」と言われて小さくなった。しだいに同類が集まって実習をするようになり、ほかのテーブルの人たちが手早く作って食べて、さっさと片付けて帰って行く中で、もたもた 作って、いつまでも食べていたことを懐かしく思い出す。

  あれからそれなりに経験をつみ、その日は失敗もなく、無事に料理が完成。初めて会った人たちと一緒に料理を作るうちに親しくなり、おしゃべりしながらできたてのおいしい卵料理をいただく至福。

……続きはVol.43をご覧ください。

ありよし たまお

作家。東京生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。ニューヨーク大学大学院演劇学科修了。1990年、母・佐和子との日々を綴った『身がわり』で坪田譲治文学賞受賞。『ニューヨーク空間』『雛を包む』『車掌さんの恋』『風の牧場』『恋するフェルメール 37作品への旅』『カムフラージュ』 『美しき一日の終わり』『ソボちゃん いちばん好きな人のこと』など多数の著書がある。

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