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高橋光臣さんと豪徳寺

昭和のおしるこ 平成のケーキ

 豪徳寺の商店街の店らしく、招き猫ゆかりのお菓子なども扱っている店もある。豪徳寺駅すぐ近くに小さな甘味処を見つけた。暖簾に〈甘味 おじか〉とある。高橋さんも甘党の一人だそうだ。

 昭和21年に澄さんのご主人の両親が開いた甘味処で当時は〈オジカ〉と片仮名表記だった。平成18年に〈おじか〉として澄さんが店を再開させた。「梅ちゃん先生」に出てくるような昭和の雰囲気そのままの店だ。おしるこか、あんみつかと迷ったが高橋さんはおしるこを注文。餅を焼く香ばしい匂いが胃袋を刺激する。餅も自家製でおしるこには焼いた餅が入っている。

「僕、『梅ちゃん先生』の中ではおしるこを食べていないんですよ。甘さが控えめで、餅の香ばしさがいいですね」と念願のおしるこにありついた。

 表にこの季節らしからぬ「氷」の暖簾がかかっていたので訊ねると、氷も一年中出しているそうで、氷屋の四角い氷を削ってかき氷を作る。

冬場の一番人気はおしるこで、夏場はクリームあんみつが人気だ。昭和の正統派甘味処といった趣だ。


甘味 おじか
〔住〕世田谷区豪徳寺1-43-2
〔営〕11:00 ~ 18:00
〔休〕水曜・日曜・祝日

*掲載時の内容です。営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。


 次は平成らしいお菓子をということで、平成24年7月にオープンしたばかりの豪徳寺で一番新しい洋菓子店〈ペンギン ペストリー〉を訪ねた。オーナーシェフの飯塚純平さん・絵美さん夫婦の店で、ショーケースには飯塚さん自慢のケーキが並ぶ。

ケーキは〝別腹〞とばかりに高橋さんの目がショーケースに吸いつけられる。

「豪徳寺はそれぞれの季節ごとにいい表情を見せてくれる土地だと感じているので、その季節の味を楽しんでもらいたいと思っています」という飯塚さん。

ショートケーキ一つとっても季節のショートケーキということで季節によっては洋梨や栗も使われている。
モンブランもその年の栗によって違った味わいのものを作ってみたいと〈モンブラン2012〉といった次第だ。

 越後魚沼コッコプリンは新潟県魚沼産の赤タマゴをたっぷり使ったプリンで牛乳は低温殺菌乳、砂糖はきび砂糖と材料にも厳しい目を光らせている。〈ポルチェリーノ〉〈マダム ジーナ〉といったケーキのネーミングにもわかる人にはわかる隠し味が施され、このケーキをもっと楽しむことができる。「シェフのケーキには予想以上の美味しさのプラスaがある。だから繰り返し買ってくださるお客様が多い」と絶賛するのは、この店のファン第一号でアルバイトとして勤めることになったという武藤玲さん。ハチミツ入りのしっとり生地で作った鈴形の焼菓子〈豪徳寺にゃんこ鈴〉は豪徳寺の町歩きのお供にぴったりだ。


ペンギン ペストリー

〔住〕世田谷区豪徳寺1-23-14
〔問〕03-6413-5128
〔営〕11:30 ~ 20:30(土曜・日曜・祝日は10:30~19:30)
〔休〕水曜・第2火曜

*掲載時の内容です。営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

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