2019年1月11日(金)ロードショー『クリード 炎の宿敵』

『ロッキー』の興奮と感動を再び! 新たなボクサー映画のゴングが鳴る

 

文:川口力哉

 

二世代にわたる因縁の対決の火蓋が切られる

 

ボクシングを始めてから、かれこれ20数年になる。先日も、若手ボクサー相手にマスボクシング形式で対戦した結果、まんまと右膝を捻挫し今日も大量のバンテリンを患部に塗り込んだところである。ボクシングが好きになったきっかけはいくつかある。本作の原点である『ロッキー』ももちろんそうだ。『ロッキー』と言えば、 何度見ても泣ける、何度見ても感動する、何度見ても勇気が湧いてくる、ボクサー映画の金字塔だ。

本作の前予告では、かつてロッキーが対戦したアポロ・クリードとイワン・ドラゴの息子たちによる因縁の対決、と銘打たれている。ロッキーファンには懐かしい名前だろう。どうやら前作から第二世代の戦いに突入したらしい。「どうせシルベスター・スタローンの余生の小遣い稼ぎだろ」と悪態をつく自分もいたことを、正直に告白するが、とんでもない!

試写室で感動のあまり、何度泣いたか数えきれないほど、心を揺さぶられ、早速、この原稿を書いている。明日はもちろんジムワークだ。

 

ヘビー級ボクサーに仕上がったマイケル・B・ジョーダン

 

主人公のアドニス・クリード演じるは、マイケル・B・ジョーダン、そのトレーナーを務めるのが、ロッキーことシルベスター・スタ ローンである。

さてアドニスのボクサーとしての実力だが、前半のシーンでは、上体の動きがプロで、下半身が素人だったのが、後半にもなると全身プロボクサーの動きのそれになっている。体格もミドル級レベ ルが、最後にはヘビー級に達していた。相当なトレーニングと栄養管理によって造り上げたのだろうが、これは見事としか言いようがない。またこのコンビにおける師弟愛の物語もよく描かれていて、選手、トレーナー、それぞれの立場における心の葛藤がよくよく胸にしみた。

ボクサーというと孤独というイメージに囚われがちだが、トレーナーがいて、家族や恋人がいる。 そこにはそれぞれの想いがあり、愛情がある。本作を見たことで、『ロッキー』=成り上がり、という数式に、そんな主人公を陰で支 え続けた愛があったことを改めて思い知り、多く涙したのも事実である。

単純に歳を取ったせいで、昔はさほど感じられなかった、登場人物への感情移入が激しくなっただけの話かもしれない ( 笑 ) 。

ロッキーファンもそうでない人も、ぜひとも劇場に足を運んで観て欲しい。登場人物たちの誰かに、そしてどこかに心が留まれば、気持ちよく感動できる作品に見事仕上がっている。

©2018 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.

『クリード 炎の宿敵』

 

監督:スティーブン・ケイプル・Jr.

脚本:シルベス ター・スタローン、ジュエル・テイラー

出演:マイケ ル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・ トンプソン、フロリアン・ムンテアヌ、ドルフ・ラングレン

2019年1月11日(金)より全国ロードショー

配給:ワーナー・ブラザース映画

かわぐち りきや

俳優。1975年和歌山県生まれ。早稲田大学理工学部卒業。主な出演作は映画『THE GODDESS OF 1967』(オーストラリア映画)、『李歐』の主演をはじめ『凶気の桜』『阿修羅のごとく』『タッチ』『テニスの王子様』 『スマイル 聖夜の奇跡』『龍三と七人の子分たち』、 テレビ「もっと恋セヨ乙女」「危険な関係」「芋たこなんきん」「ヤスコとケンジ」「行列48時間」「ギルティ 悪魔と契約した女」「白虎隊」、舞台『座頭市』など。 著作に小説『ピースマン』がある。現在、世田谷深沢に開校した、小中生を対象とした未来創造スクール「GREEN STAR」の代表を務める。


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