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和田誠を知っていますか? 和田誠を紐解く展覧会

「和田誠展」

 2019年に逝去した和田誠さん(1932~2019)は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして広く知られるが、その他にも多くの顔を持つ。9月20日まで世田谷文学館で開催されていた「安西水丸展」では安西さんと和田さんという2つの才能の交流が紹介されるコーナーがあり、2人の作品の温かさ、優しさに心が躍るのを楽しんだばかりである。中学生の頃だっただろうか、『ジョルスン物語』という映画を観た。世界初のトーキー作品である映画『ジャズ・シンガー』の主演俳優として知られる俳優&歌手のアル・ジョルソンの半生を描いたミュージカル映画で、この映画を知るきっかけになったのは和田さんの本のタイトル『お楽しみはこれからだ』である。これは『ジャズ・シンガー』の主人公の決まりセリフだった。僕に、ビリー・ワイルダー映画の面白さ、魅力を教えてくれたのも和田さんだった。もちろん間接的にである。和田さんには『麻雀放浪記』『怪盗ルビイ』などのメガホンを取った映画監督という顔もある。あなたはどんな顔の和田さんと出会っているだろうか。

和田誠ポートレート photo:YOSHIDA Hiroko

 作詞・作曲家、編集者、装丁などなど、さまざまなジャンルで意欲的な創作活動を行い、そのいずれのジャンルでも和田誠印の仕事を遺し、それぞれの作品で人々をウキウキ、ワクワクときめかせ、人々の記憶に残る出合いを提供しているのがすごい。だから、どんな作品に出合ったかによって、人々の心に描かれる和田さんのイメージはまちまちなのである。

「デューク・エリントン」個展「JAZZ」より 1992
「ありふれた生活」(著:三谷幸喜)挿絵 朝日新聞2013.8.22

『「徹子の部屋」の30年』表紙 2007 講談社

 本展は、和田誠さんの仕事に迫る初めての試みとして、代表的な仕事を中心としたビジュアル年表や、和田さんの輪郭をとらえる上で書くことのできない約30のトピックスを軸に、およそ2800点の作品や資料が紹介される。書籍と原画だけで約800点、現在も続く「週刊文春」の表紙イラストは2000号までを一気に見ることができる。さまざまな著名人の似顔絵、谷川俊太郎との絵本、多摩美術大学在学中に制作したLPジャケットや、日本宣伝美術会賞を受賞したポスター「夜のマルグリット」、たばこ「ハイライト」のデザイン版下など広告制作会社ライトパブリシティでの仕事、映画の脚本や絵コンテで紹介する映画製作、約9年間無償で製作した新宿日活名画座のポスター、現物で紹介するレコードジャケット、原画を交えて紹介する丸谷才一や村上春樹、北杜夫などさまざまな作家の装丁の仕事などなど、〝オール・アバウト・和田誠〟の趣だ。

『とぶ』(文:谷川俊太郎)1978 福音館書店 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵
「新宿日活名画座」ポスター 1961
『夜のマルグリット』ポスター 1957 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵
「週刊文春」表紙 1977
『お楽しみはこれからだ』装丁 1975 文藝春秋

 早速、「和田誠展」に出かけたが、和田さんは本当に好きなことに生涯向き合い、飽くことなき好奇心とつきることなく湧き出るセンスとアイデアで作品を創り続けた人であることが、よくわかる。まだ知らない和田さんに会ってみたい。和田さんの仕事をもっと知りたい。その思いがかなう展覧会にまた、出かけてみたい。次は映画に特化したコーナーをじっくり見てみよう。僕は開催期間中、何回も通い詰めることになるのだろう。

〔開催期間〕10月9日(土)~12月19日(日)
〔会場〕東京オペラシティ アートギャラリー(新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル3F)
〔開館時間〕11:00~19:00(入場は18:30まで)
〔休館日〕月曜日
〔入館料〕一般1,200円、大学・高校生800円、中学生以下無料300円
〔問〕050-5541-8600(ハローダイヤル
〔HP〕http://www.operacity.jp/ag/
サントリー美術館様
森美術館

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