林遣都、有村架純ら15人の俳優が挑む日本演劇界の財産、安部公房の戯曲

『友達』

 シス・カンパニーと加藤拓也が、2020年10月上演の初タッグ作『たむらさん』に続くプロジェクトを開始! 観る者の心をザワつかせる特別な世界観を観客に届けるという。今回向き合う作品が、演劇ファンならば、知らない人がいない安部公房作『友達』というから、観る前からすでに心がザワつき始めている。まず、演出と上演台本を手がける加藤拓也。本年、NHKで放送された連続ドラマ「きれいのくに」の脚本を手がけているが、なんとも斬新な発想とドラマ展開、そしてダイアローグには、まさに心がザワついてしまった。不思議な世界に足を踏み入れてしまったような感覚でドラマを観た人もいるのではないだろうか。自身が演出を担当した回もあった。今注目を集める気鋭の劇作家であり、演出家と言ってはばかられることはない。

 そして安部公房。生前「最もノーベル文学賞に近い作家」と言われ、小説、戯曲、映像作品と幅広い分野で活躍し、今回上演される戯曲『友達』は、安部が後半生の情熱を傾けた演劇活動を語る上でも、見過ごすことのできない作品である。1974年の安部公房スタジオ公演では、安部自身が演出を手がけ、仲代達矢、井川比佐志、山口果林らが出演していた。

 簡単に物語を紹介すると、一人暮しの男のアパートに突然闖入してきた奇妙な一家が笑顔で隣人愛を唱え、あっという間に男の部屋を占拠してしまう。何ら疑いを持つこともない一家の善意、親切心が怪物化し、孤独の思想を駆逐してしまうというストーリーで、ブラックユーモアの中、現代社会の人間の生の構造や他者との関係性が描かれている。以前、三島由紀夫が、安部の戯曲を傑作と讃美し、「人類最美の、そして人類最醜の家族像!」と言い、「これこそはテアトルなのである」と解説していたのを思い出す。

上段左から林遣都、有村架純、鈴木浩介、下段左から浅野和之、キムラ緑子、山崎一

 今回、この特異で不思議で可笑しな人間関係を演じる俳優たちの顔ぶれも実に多彩! 不条理な状況に追い込まれていく「男」を演じるのは、現在放送中のテレビドラマ「緊急取調室」でもおなじみの鈴木浩介、男に忍び寄る家族のメンバーには、安部公房スタジオ出身の浅野和之、舞台、映画、テレビとさまざまな表情を見せるキムラ緑子、大劇場から小劇場まで、さまざまな舞台で観客の記憶に残る芝居を見せ、昨年の舞台『十二人の怒れる男』などで読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した山崎一といった芝居巧者たち。そして昨年のテレビドラマ「姉ちゃんの恋人」で、きめ細やかな感情の色彩を表現し、視聴者の胸をときめかせた有村架純と林遣都が、闖入者である家族の兄弟・姉妹の一員として舞台で初共演を果たすのも大きな話題だろう。有村にとっては2014年の『ジャンヌ・ダルク』以来7年ぶり、2度目の舞台出演となる。林、有村といった当代の人気俳優が、濃密な小劇場空間でどんな演劇的魅力を披露し、観る者を惹きつけてくれるのか、期待も高まる。

 登場人物たちにどのような結末が待ち受けているのか、ラストシーンのある種の怖さも想像しながら、心のザワつきを楽しみたい。

作:安部公房 演出・上演台本:加藤拓也
出演:鈴木浩介 浅野和之 山崎一 キムラ緑子 林遣都 岩男海史 大窪人衛 富山えり子 有村架純 伊原六花 西尾まり 内藤裕志 長友郁真 手塚祐介 鷲尾真知子

東京公演
〔公演日程〕9月3日(金)~9月26日(日)
〔会場〕新国立劇場 小劇場(東京都渋谷区本町1-1-1)
〔料金(全席指定・税込)〕S席10,000円、A席8,000円、バルコニーA席8,000円、バルコニーB席7,000円
〔問〕シス・カンパニー03-5423-5906(平日11:00~19:00)
https://www.siscompany.com/tomodachi/

大阪公演
〔公演日程〕10月2日(土)~10月10日(日)
〔会場〕サンケイホールブリーゼ(大阪市北区梅田2-4-9ブリーゼタワー7F)
〔料金(全席指定・税込)〕S席10,000円、A席8,000円、中2階バルコニー席8,000円
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00 日祝休業)

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