「静嘉堂文庫美術館」といえば、三菱創業者、岩﨑彌太郎の弟で、第二代の社長を努めた岩﨑彌之助、その息子で第四代社長の小彌太の父子二代にわたる蒐集品を収蔵・展示する美術館です。同館はこの春、「岩﨑家のお雛さま」を展覧します。岩﨑小彌太(1879~1945)が孝子夫人のために誂えた雛人形は、京都の人形司・丸平大木人形店によるもので、贅を尽くした貴重な美術工芸品です。内裏雛の白くつややかな丸い顔が幼児のようにいかにも愛らしく、また雛道具の各所に岩﨑家の替紋である花菱紋があしらわれた、精緻な技術の粋を集めた最高傑作と言えましょう。
このほか春を愛でる絵画・工芸品も合わせて展示され、日本画家・前田青邨(1885~1977)に絵の手ほどきを受けた小彌太自身の絵画や蒐集した名品の数々も出品されます。特に小彌太の蒐集品、国宝「曜変天目」で眼福を得ることができます。
聞けば2022年、展示ギャラリーを丸の内・明治生命館への移転を前にした現在の地(世田谷区岡本)での最後から2番目になる展覧会となるそうです。お見逃しなく。




展覧会:岩﨑家のお雛さま
会期:2月20日(土)~3月28日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2-23-1)
開館時間:10:00~16:30(入館は16時まで)
入館料:一般1,000円、大高生及び障害者手帳をお持ちの方700円、中学生以下無料
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
HP:http://www.seikado.or.jp/