小さな劇場が多く、演劇の町として語られると同時に、下北沢はライヴハウスやミュージック・バーなどが多く、音楽好きが集まる町でもある。本多劇場の階段から上を見上げたとき目に入った向かいのビルの〈ミュージック・バー・ロッカホリック〉の看板に惹かれ、ロック感覚にひたるべくビルの4階のドアを開けた。バーカウンターは2つあって、かなりのスペースだ。
オープンは2015年。平日は、洋楽・邦楽を問わず、 70年代から最新のロックまで、客からのリクエストを受けてスタッフDJが曲を流す。週末にはゲストDJも参加して160~170人くらいの20 代から 50代以上の幅広い年代の客がスタンディングで朝までロックに酔う。また、アーティスト同士の交流の場でもある。29 歳の店長、佐々木達矢さんはじめ、スタッフは全員DJだ。

横田さんはハイボールを注文。「実は18 歳くらいのころに、駅前の〝噴水〟と呼ばれる待ち合わせ場所で、週一回くらいのペースで終電後にジーンズにTシャツで、フォークギターを弾いて歌っていたんですよ。ブルーハーツとか、尾崎豊とか。通りがかりの人たちがギターケースに結構お金を入れてくれましたよ」と意外な告白。
5階にはバーを運営する〈激ロックエンタテインメント〉系列のライヴハウス〈下北沢LIVE HOLIC〉があり、どっぷりと生ロックに溺れ、その後ミュージック・バーで酒を飲みながらロック談議に花を咲かせるのも楽しい。さらには、「激ロック」「skream!」というフリーペーパーも発行している。〝シモキタ〟ロックの発信地といえるかもしれない。横田さんも佐々木店長と世代を超えて、好きなバンドの話で盛り上がっていた。音楽は世代、性別、国籍を超えた絶対言語なのだ。

バー・フードも用意されていて、好きなロックを聴きながら食事をする根っからのロッカホリックも多い。ナチョス700円、スモークサーモンとクリームチーズの生春巻き600円、エビのアヒージョ700円、ロコモコ900円、フィッシュ&チップス600円、 カラマリフライ800円、タコのセビーチェ600円、タコライス、 ビーフとオニオンの欧風カレー、印度風牛ひき肉のキーマカレーいずれも900円など、腹もしっかりと満たされる。
MUSIC BAR Rockaholic SHIMOKITAZAWA
ミュージック・バー・ロッカホリック 下北沢
〔住〕世田谷区北沢2-6-5ルイビル4F 〔 問〕03-5738-7669 〔営〕18:00~翌5:00 〔 休〕1/1~1/3