どん底

この店を訪れた三島由紀夫は、若者たちの享楽ぶりを目にして「銀座の高級バーより、よほど世界水準に近づいている」と語ったという。煉瓦造りに蔦のからまる建物の入口には三島由紀夫の写真と文章が飾られている。1951 年のオープン以来、黒澤明、越路吹雪ら多くの芸術家たちが通った西洋居酒屋である。60 年代前半は「歌声酒場」であり客にまざってルパシカを着た従業員も合唱に加わった。「どん底歌集」も売られていた。名物のどん底カクテル(通称「ドンカク」グラス650 円、ボトル3,200 円)の「ドンカクの唄」を書いたのは詩人の金子光晴だ。女子学生の客も多く、演劇や芸術の話で盛り上がったという。戦後の若者文化の担い手たちが集った梁山泊のようだったこの店の現在の店長宮下伸二さんは「今の時代のどん底を創っていきます」と語る。牛肉とキャベツ炒めをウスターソースで味つけした名物〈林さんのライス〉950 円、たっぷりのチーズのMixピザMサイズ1,200 円、ピロシキ700 円、ロシア漬け650 円など。

〔住〕新宿区新宿3-10-2 
〔問〕03-3354-7749 
〔営〕17:00 ~ 23:30L.O. 
〔休〕無休(大晦日・正月は除く)


新着記事

おすすめ記事

成城学園前~住人御用達の看板店

いい街には、いい本屋がある

浜美枝さんの箱根

Present

WEB限定プレゼント

Category

from Readers

Club