funiculà フニクラ

 扉を開けると、古民家風の設えで落ち着く。店名から浮かんだのが「みんなのうた」で紹介され、子供時代に憶えたイタリア・ナポリの大衆歌謡「フニクリ・ フニクラ」だ。登山ガイドの資格を取る予定だというほど山好きのオー ナーシェフ西井幸治さんが、初めて店の造りを見て登山電車みたいだと感じて、店名が決まったという。「フニクリ・フニクラ」という歌は、ヴェスヴィオ山の山頂までの登山列車(ケーブルカー)の宣伝曲として 1880年に作られ、世界最古のコマーシャルソングとも言われている。松田さんも登山が趣味とわかり早速意気投合。

 まず、冷野菜の盛り合わせをいただく。季節によって内容は変わるが、この日はパテ・ド・カンパーニュ、豚肉のリエット、カボチャと鳥胸肉のバルサミコマリネ、枝豆のフリッタータ、切り干し大根のアラビアータ、人参のラペ クミン風味と目にも楽しい一皿。二人で食べるのにいいボリュームだ。「切り干し大根のこんな調理法があったんですね。カボチャの甘さとバルサミコの酸味のバランスが絶妙でこんなカボチャの料理食べたことないです」と喜ぶ松田さんを見て、西井シェフの顔も自然と緩む。


 真鯛のアクアパッツァには、ソムリエの永井優孔さんがイタリアビエモンテ州のコルテーゼという白ワインを選んでくれた。「香草がすごく効果的ですね。なんという香草ですか」と、釣りが趣味で自らも魚をさばく松田さんは、どうやら料理も趣味のようだ。エストラゴンだとわかり納得。「ワインもすごく爽やかで料理の相性もバッチリです」と言っているうちに、じゃがいもの手作りニョッキ ゴルゴンゾーラソースが運ばれてきた。

じゃがいもの手作りニョッキ ゴルゴンドーラソース。「これはチーズの嫌いな人にも食べてもらいたい。絶対好きになります」

「ワインが飲める洋食居酒屋のような店をと考えていたので、本当はパスタはやりたくなかったんです」とシェフ。イタリアンとかフレンチとか括りのない、料理が豊富なワインバーが理想だった。それでも客の要望に応えて、パスタやピザもメニューに載せた。オープンと同時に、 年配のご夫婦、子供連れの若いファミリー、女性同士のグループと、いつものなじみ客がドアを開ける。大人の時間の幕開けを祝福する料理とワインだった。スタッフの杉山理さん、佐藤琢磨さんも一緒に記念写真。

2012年オープンの料理が豊富なワインバー。カウンターもあるので一人でも楽しめる店だ。冷前菜の盛り合わせ1,700円、フレッシュマッシュルームのサラダ900円、スモークサーモンとクレソンのサラダ1,000円、シンプルだがやみつきになるレタスサラダ400円、たことじゃがいもとアボカドのサラダ1,100円、きすとズッキーニのフリット1,100円、焼きとうもろこしの天然酵母ピザ1,300円、フレッシュイチジクとゴルゴンゾーラの天然酵母ピザ ハチミツかけ1,400円、ウニのクリームスパゲッティ1,600円、じゃがいもの手作りニョッキ ゴルゴンゾーラソース1,300円、ワタリガニのトマトクリームスパゲッティ1,300円、 真鯛のアクアパッツア1,800円、合鴨骨付きもも肉のコンフィ1,700円、グリル料理の日高カムイ豚ロース肉1,600円、骨付き仔羊(2本)2,200 円、黒毛和牛(A4ランク)2,200円などのメニューを見ると、やはり一人でくるのはもったいないような気がしてくる。冷前菜の盛り合わせも お好みを各種1品料理として注文できる。

〔住〕渋谷区西原3-1-1-1F
〔問〕03-6407ー0040
〔営〕火曜~金曜18:00~翌1:00L.O.(土曜は17:300~)、日曜17:30~23:00L.O. 〔休〕月曜

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