扉を開けると古民家カフェのような設え。なんとも味わい深い風貌のご主人は本間堅一さん、79 歳。古本屋か骨董店の店主といった佇まいに、時間のポケットに入り込んだような錯覚に囚われた。父親のビストロを継ぎ、50 年間営業していたが、手に不自由を感じ2年ほど休業し、奥さんが茶道を指導していることもあり、夫婦で2019年1月に現在のスタイルで営業を再開した。店には小さな畳敷きのスペースもあり、抹茶椀などが飾られる。「スカーレット」で陶芸家の役を演じる松下さんは、目を輝かせながら茶碗を手にとり興味津々の様子。
ランチタイムのクスクスやカレーライスはビストロの名残だろうか。ランチと言ってもオールタイム注文でき、近所に勤める人たちに人気だ。
週末には、茶道に興味を持つ外国人たちも訪れる。日本栽培の茶葉で作られた〈和紅茶〉もメニューに載る。「ここ10 年くらいは、置き去りにされたような町で」と言う本間さんに、「空気が澄んでいる、気持のいい場所です」と答える松下さん。俳優の心を刺激する出会いの時間があったようだ。



席につくとまず、梅干し、シソ、あられにお湯を注いだ飲み物が出される。松下洸平さん曰く「やさしい味」だと。外国人客に人気の点前付き抹茶は1,300円。黒ゴマパフェ800円、クリームあんみつ800円、 フルーツパフェ900円。甘いものとお茶のセットは900円で、甘いも のはおしるこ、アイスクリーム、豆乳ゼリーから選ぶ。日本茶二種の 比べ茶1,000円。日本茶は大きな葉の照りが美しい岡山美作のみま さか茶500円、京都のかりがね茶500円、佐賀嬉野の釜炒り玉露茶 600円、つゆひかりという品種に癒し効果がある静岡の湯日(ゆひ)深蒸し茶600円。和紅茶は、宮崎五ヶ瀬の香りがうれしい有機紅茶 ごかせ和紅茶600円、鹿児島屋久島のやくしま和紅茶700円、ほのかな甘みと日本茶葉ならではのキレが身上の静岡両河内の和紅茶800円。散歩の途中に寄りたい一軒。価格は税抜。
〔住〕渋谷区代々木3-38-12参宮ビル1F
[営〕12:00~18:00 〔休〕月曜・火曜