客のリクエストを楽しむイタリアンシェフ
次なる異国の味を探して南口で見つけたのがイタリアンレストラン「イルファヴォーレ」。〝お気に入り〞といったような意味合いだろうか。36歳のオーナーシェフ五十君(いぎみ)暁さんが、地元の人々においしいイタリアンを提供したいと平成19年にオープンした。生パスタや乾燥タイプパスタをその日の食材と合わせトマト系、こってりクリーム系、ラグー(煮込み系などパスタと食材を生かしたソースで料理する。その日のメニューは契約農家〈とんびファーム〉から届いた野菜や市場の魚を見てから決める。「旬じゃないものを使っても美味しくないし、イタリアンの考えに反しますから」というシェフに料理で客を驚かせてやるという遊び心を感じる。
イタリア人はじめオーストラリア、アメリカなど多くの外国人が訪れるが、ほとんどの客がメニューを見ないそうだ。何が食べたいかを伝えて、シェフがどんな料理を出してくれるのかを楽しみにしているのだ。

青柳翔さんも、「美味い!肉を食ってるって感じです。何を食っても料理が楽しい」と赤絵ワインがすすむ青柳翔さん。実はこの店のハウスワインは1杯百円。「えっ! 百円ですか、すごく美味いんですけど、じゃあ10杯飲んでも千円ですか」と青柳さんも一瞬絶句して目を丸くする。ワインは難しいという壁を打ち破るためのシェフの気構えの表れだ。〈コーヒーと一緒に〉と出されたプレートにはオレンジピール入り手作りチョコレート、北イタリア地方のヘーゼルナッツのビスケット、映画『ゴッドファーザー』でもおなじみナポリの伝統菓子カンノーリなどコーヒーに合うお菓子が並ぶ。これが〈デザートワインと一緒に〉だと、別の内容になる。


学生、年配の方、妊婦さんとそれぞれに求める味が違うから、その人の希望に副える料理をというシェフのソウルを味わう意味でもぜひともディナーで訪れたいイタリアンだ。夜のコースは3,500 円から。この店のコース料理は少しずつたくさんの品数を味わえるのがモットー。アラカルトも300 円の料理からある。ちなみにランチには日替わりパスタのランチ1,000 円などのコースがある。
〔住〕相模原市南区相模大野8-6-16
〔問〕042-744-2204
〔営〕lunch11:30 ~ 14:00L.O.、dinner17:00 ~ 22:30L.O.
〔休〕月曜・第3 火曜
*掲載当時のものです。営業時間などお問い合わせの上、お訪ねください。