遠方からの客も呼び寄せる評判の寿し屋の確かな仕事

風情のある佇まいの店、暖簾をくぐるったのは〈寿し屋の楠本〉。店主は楠本光秀さん。肴と寿しが一枚の皿に配置よく美しく盛られて、口で福を味わう前に、目で楽しませてくれる。一流の料理人には絵心があるときくが、まさに美味しいアートである。

肴は、いわしの昆布巻、塩でいただく白いか、タラの焼白子。なんともさわかで、口の中に旨味が広がる。冷酒を飲みたくなるが、ここはぐっと我慢。寿しは、とろ、赤身の漬け、小肌、平貝、醤油漬したイクラに穴子。〝しゃり〞が美味い、ネタの下ごしらえも十分で、楠本さんの仕事を堪能できる。
「しゃりの良し悪しで寿しが決まるといっていいほど、しゃりには神経を使います」という楠本さんの仕事ぶりに惚れ、週一藤沢から通う客もいるという。遠方からの客が圧倒的に多いそうだ。小さい頃から寿しが好きで、中学卒業と同時に父に弟子入りした息子さんの孝晟さんは、17歳(取材当時)。厳しい目を向ける親方だが、父としては嬉しい選択に違いない。
平成12 年のオープンというから、百合ヶ丘では比較的新しい店なのかもしれないが、評判はすでに遠方の寿し好きにも届いている。昼のおまかせ握りは3,300 円、小鉢3品と握りのおまかせコースは3,900 円。夜のおまかせ握りは7,000 円と10,000 円。料理と握りのおまかせコースは13,000 円。昼夜ともにお好みも楽しめる。
〔住〕川崎市麻生区百合丘1-18-12〔問〕044-951-1744〔営〕12:00~ 13:00 L.O. / 17:30 ~ 22:00 L.O.〔休〕月曜
*掲載時の内容ですので、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。