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「2030 SDGsカードゲーム」が教えた箱根湯本の若女将のサステナブル アクション

◆持続可能な宿泊業としての試み

 旅館業の仙景としてもSDGsに取り組む企業として、神奈川県の「かながわSDGsパートナー」に登録されました。私自身も「2030 SDGs 公認ファシリテーター」となってから、SDGsに関したプランを始めました。その中の一つに、2030年までを目標に、当館で使用する全部の卵を鶏の平飼いにすることとし、「ケージフリー宣言」をしました。ケージから鶏を放って育てることです。日本のケージ飼育の平均飼育面積は一羽あたり、B5サイズのごく狭い面積で、太陽にも当たらずぎゅうぎゅう詰めの状態で飼っています。この生産方式では病気が出やすく鶏の為にも人間の為にもよくありません。大手ホテルなどでもケージフリーへの移行を始めていますが、まだ一部です。アニマル・ウェルフェアは海外では進んでいますが、日本を代表する温泉地の箱根でアニマル・ウェルフェアの取り組みが始まったことを、大変評価してもらいました。

 その他にも、隣接する「Café花車」では、美濃焼の陶磁器製「MY STRO」を使っています。また、「山家荘」のシンボルとなっている茅葺き屋根の葺き替えて下ろした茅はお茶畑で再利用するよう資源を循環させています。お箸も、吉野檜の間伐材を利用しています。さらに、地元の食材を取り入れたメニューを提供し、箱根の伝統工芸品である寄木細工の製品を各所で使用しています。外国人スタッフの雇用や、スタッフのレベルアップのため「おもてなし研修」への参加や、書道、ヨガ教室、SDGsワークショップの場などを設け、スキルの向上を励行しています。
 観光地箱根の宿泊業の経営がSDGsの理念に基づき、さらに新しい取り組みにも挑戦し、伝統を守るためにも変わり続けて、サステナブルな旅館業を目指していきたいと思っています。(談)

茅葺き屋根の茅の再利用や陶器のストロー、地元箱根の「箱根寄木細工」を使った小物など、SDGsの取り組みがいたるところに感じられる。雄大な湯坂山が目前に感じられる自家源泉の露天風呂は見晴らしも良く、特に人気がある

つだかおり
神奈川県箱根町生まれ。イギリス留学後、旅行会社、金融会社で勤務した後、「ホテル仙景」若女将に。2030SDGs公認ファシリテーター、唎酒師、温泉ソムリエの資格も持つ。

ホテル仙景
神奈川県足柄下郡箱根町湯本592
℡.0460-85-5500
[HP] https://www.hakone-senkei.jp/


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