Categories: 箱根彩彩

一日はホテル内で寛ぎ、翌日は自然に触れる箱根リゾートの過ごし方

帰りたがらない子供たちを見送る喜び

 当ホテルも平日は7割ほどが訪日の外国人で、なかでも欧米方面からの観光客でにぎわっています。特に海外のお客様に人気なのが、オールインクルーシブの料金体系です。宿泊代金にホテルの食事やドリンクなどの料金が含まれています。外国からのお客様は、食事の後、ラウンジでアルコール類などを召し上がりながらゆっくりと過ごされます。宿泊費の他に別にかかる費用を気にしないで飲食を楽しんでいただけます。これは、箱根では先駆的なサービスでしたが、このサービスを取り入れる施設も多くなり、後発に負けないようにバーションアップを工夫しています。材料費の高騰もあり、コロナ前に比べるとお客様からお預かりする金額も多くなっていますので、その分満足していただけるような工夫を心掛けなければなりません。

 一昨年、わが家の3人の子供たちを当ホテルに連れてきたことがあります。手前味噌のような話になってしまいますが、本当に子供たちが楽しかったようで、「パパのホテルにまた連れてって」と言い続けています。「小さいお風呂に足だけ入ったり、本がいっぱいあって、たくさんお菓子やジュースが飲めるんだよね」と嬉しそうに話すのです。

 ある3世代の家族で宿泊されたお客様ですが、特にお孫さんが大満足だったようで、チェックアウトのとき、「帰りたくない」と泣かれて、目を細めているお祖母さんの顔が忘れられません。子供たちに泣かれるくらい気に入ってもらえたことは、私どもにとって本望です。きっとその子供たちがファンになって、「輪」が拡がっていくに違いありません。

「一泊ではもったいないです」と、おっしゃるお客様も多いです。というのは、ホテル近辺には、「箱根彫刻の森美術館」や「箱根美術館」などアート施設や、歩いて10分ほどの「強羅公園」は、自然が豊かで季節の鮮やかな花々を愛でることもできますし、陶芸や点茶、クラフト体験もできます。一日は館内でゆっくりし、もう一日は強羅周辺を散策して楽しんでいただきたいです。この時期は、箱根登山電車に乗っていただけると、色とりどりの紫陽花に見惚れることでしょう。季節の移ろいを肌で感じることができるのも箱根の魅力です。昨年日帰り温泉や宿泊で箱根町を訪れた観光客は1900万人を超え、新型コロナ感染症拡大前の9割程度に回復し、活気のある箱根になりました。一人旅の方も、家族連れの皆さまもそれぞれが寛げるホテルをスタッフ一丸となって充実させていきます。(談)

 


きたはら のぶき
1972年神奈川県生まれ。92年小田急リゾーツ入社。「山のホテル」「箱根ハイランドホテル」「ポーラ美術館」「藤沢ゴルフ倶楽部」「テル箱根クラブ」などの料飲部門にて勤務。2024年1月「箱根 ゆとわ」支配人
「箱根 ゆとわ」
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-27
℡.0460-82-2321
HP.https://www.hakoneyutowa-hotel.jp/

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