江戸の昔に想いを馳せて

文=大和田公一

弥次・喜多も歩いた 箱根八里の石畳

 

 「けふは名にあふ筥根八里、はやそ ろそろと、つま上りの石高道」

  江戸時代後期に十返舎一九が著 た『東海道中膝栗毛』の記述。

  主人公の弥次さん・喜多さんが歩いた石畳の道は、今から三四〇年程前、江戸時代前期の延宝年間に敷設されたと伝えられ、現在湯本から 箱根峠の間では七地点三・三㎞にわ たって残っています。この道は杉の並木とともに、箱根越え東海道の歴史的景観を伝える国指定史跡として保存され、またハイキングコースと しても人気のある道です。

  箱根町に関わって三十年余り、数えきれないくらいこの道を歩きまし た。ある時は、箱根の小学生たちと手作り草鞋で歴史体験。草鞋と石畳は相性抜群、滑らないのです。雨露で湿った「天ケ石坂」の急傾斜、山靴やスニーカーでおっかなびっくり歩いてくるハイカーたちと、「どや顔」ですれ違ったことなども楽しい思い出です。
 
またある時は、街道の調査で。石 畳の残存状況や距離の測定、構造の把握など、石畳とお見合いしながらの匍匐前進。道は、石畳の持つ排水構造や石組など優れた特徴について十分に語りかけてくれました。

‥‥‥続きはVol.36をご覧ください。

石畳が敷かれる前は、箱根竹を敷き詰めた”竹道”だった。 石畳の道には、排水や石組造など江戸時代の構造を見ることができる。探しながら歩いてみるのも楽しい。

おおわだ こういち

1956年東京都出身。法政大学卒業後、 箱根町立郷土資料館に歴史系学芸員として勤務。同館館長、 教育委員会生涯学習課長、教育次長を経て、2016年定年退 職の後再任用職員として、同年4月から箱根関所所長。


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