吉田拓郎が曲を捧げた〝シンシア〟歌手・南 沙織

 もう、かれこれ15年くらい前になるだろうか。企画を担当していたWebマガジンで、筒美京平さんをホストに、毎回ゲストを迎えての対談企画が実現することになった。編集者仲間に話したら、信じられない、人前に滅多に顔を出さないことで知られる筒美京平さんが対談のホストを受けるなんて、とずいぶん羨ましがられた。僕も、いまでも奇跡のような企画だったとしか思えない。筒美さんと相談して第一回のゲストには篠山紀信氏を迎えることになった。筒美さんはシャイな人だ。だから、僕にいつでも隣にいてほしいと、嬉しい申し出があった。2人の話が進行するなかで、篠山さんから「京平先生、沙織さんの話を聴かせてください」と、待ってましたとばかりの提案。筒美さんからは、初めて南沙織の声を聴いて、その声が魅力となるデビュー曲「17才」が閃いたこと、篠山さんからは、沖縄のイメージアップにもつながるほどの強烈なインパクトを受けたことなど、2人のプロフェショナルの語る南沙織に、まるで直に会ったように心が躍ったことが忘れられない。

 各界にも南沙織のファンを自認する人が少なくなく、作家の大岡昇平が、テレビで「南沙織のファンだ」と語っているのを見たときは驚いた。吉田拓郎もファンであることを再三公言していて、かまやつひろしと組んで、彼女のクリスチャンネームをタイトルにした南沙織に捧げる楽曲「シンシア」を作った。74年11月のテレビ「ミュージックフェア」では、南沙織を間に吉田拓郎とかまやつひろしが「シンシア」を歌った。その回の放送分は今でもビデオに残している。72年にプロマイド売上女性部門で1位になった。本年はデビュー50周年のアニバーサリー・イヤーに当たる。50周年記念として、全110曲収録の6枚組CD-BOX『CYNTHIA ALIVE』も発売されているようだ。

文:渋村 徹(フリーエディター)

マルベル堂スタジオ
家族写真や成人式の写真に遺影撮影など、マルベル堂では一般の方々の専用スタジオでのプロマイド撮影も受けている。特に人気なのが<マルベル80’S>で、70~80年代風のアイドル衣装や懐かしのファッションで、胸キュンもののアイドルポーズでの撮影が体験できるというもの。プロマイドの王道をマルベル堂が演出してくれる。
〔住〕台東区雷門1-14-6黒澤ビル3F

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