小田急線海老名駅西口にある「ロマンスカーミュージアム」、早いものでオープンしてから4年超。新宿と箱根などを結んできた歴代の特急ロマンスカーを中心に6車種11両の車両が展示され、小田急沿線を再現した約190㎡の巨大ジオラマや、ロマンスカー運転シミュレーターなどの多彩なコンテンツを備えた鉄道ミュージアムだが、お子さんや鉄道マニアのみならず多くの見学者が訪れている。なぜ、ロマンスカーミュージアムが愛されているのか、副館長の松村尚さんと、企画担当の箕田利広さんに現場からの声として語ってもらった。
ミュージアムの建設工事は、2018年に始まっていたが、開業当初はコロナ禍の真っただ中。松村副館長は開口一番、「〝子どもも大人も楽しめるミュージアム〟というコンセプトの実現と、感染対策の両立には難しさがありました」と言えば、それを受けて箕田さんは、「入場制限のため、お客さまに展示をじっくり見ていただきたくても、〝立ち止まらずに進んでください〟と案内せざるを得ませんでした。また、キッズエリアのアスレチックも密を避けるために開業時にはオープンできなかった。開放後も吊り革型の遊具を毎回丁寧に拭くなど、遊具の一つひとつを定期的にスタッフが消毒する必要があった」と言う。
「コロナ禍以後の人数制限の解除に入って、ようやく大きなイベントが実施できるようになったり、アスレチックやペーパークラフトも多くの方に楽しんだりしていただけるようになりました。館内コンテンツだけでなく、お客さまに対面のイベントなども我慢していただいた悔しさがあったので、今はその想いを形にできていると感じます。また、ロマンスカーミュージアムは、鉄道ファンだけでなく鉄道に興味のない方でも直感的に楽しめるよう、さまざまな工夫をしています。例えば、学芸員によるガイドツアーなどは、コロナ禍では密を避ける必要があったため、大規模に実施することができませんでしたが、今年から、お客さまと対話しながら車両紹介をする取り組みを本格的に始めることができ、ミュージアムの魅力を直接伝えることができています」と、企画担当の箕田さん。
松村さんも、「ロマンスカーの魅力を通じて〝感動〟〝笑顔〟〝未来〟つくります、というのがミッションですが、コロナ後はスタッフの笑顔とお客さまの笑顔が交差する機会が増え、よりポジティブな空間になったと感じます」
と、コロナ禍以後の現場の〝変化〟を嬉しそうに語った。
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