アンティーク蒐集は、男の偏愛に違いない


La Cienega(ラシエネガ)


1930 ~70 年代を中心とした照明器具を扱うLa Cienega(ラシエネガ)。4階のフロアーには眩いばかりのシャンデリア展示されている。女性的なフランス、男性的なイタリアのものや、スペイン、ベルギーなどどれも一点ものだ。アンティークには良い汚れと悪い汚れがあるが、良い汚れを残したまま漏電などが起こらないよう、日本仕様に1階の工房で修理、手入れをする。香水や小物、アンティークのフレームのミラー、キャンドルホルダー、シルクハットを入れた帽子のケース、ポスター等々普段目にしない珍しい品々に見とれる。
2階「redrock」は、1950年から80年代のモダンなヴィンテージランプをメインにデザインしたものや、スワロフスキーのオリジナル商品が並ぶ。ラシエネガの照明器具は店舗用としても、個人の住宅用としてはもちろんのこと、映像の世界などで古い時代を演出するため、リースで使用されることもあるそうだ。クリスタルパーツやドアハンドルなどの取り揃えも充実している。

〔住〕目黒区中目黒3-6-6 中目黒OPIビル 4・5 階 〔問〕03-3711-7730 


GEOGRAPHICA(ジェオグラフィカ)


インテリアショップが並ぶ目黒通りに面し、吹き抜けの広々とした店内は、イギリスのアンティーク家具を中心に、陶磁器、照明、アクセサリー、小物類など品ぞろえが豊富である。地下1 階と3 階は主に家具で、3階はエレガントなマホガニーとウォールナット材を用いた家具がメイン。アンティーク家具の中にいると、夢が広がってくるようだ。海外から買い付けられた家具は、長く、大切に使うために、英国式修復の技術を持った専任のスタッフによって丁寧に修復されている。
2 階には「イル・レヴァンテ」というイタリアンレストランがあるので、買い物の合間に食事やティータイムも楽しめる。1 階は、海外の可愛らしい雑貨や、大切な写真を額装する素敵な輸入フレームのコーナーもあるので、贈り物にしても喜ばれそう。亡くなった俳優の三國連太郎さんも、アンティーク家具が好きで、ジェオグラフィカが東急百貨店内に店舗があった時代からよく見えたそうだ。アンティークは、三國さんにとっても居心地の良いものだったに違いない。

〔住〕目黒区中町1-25-20 〔問〕03-5773-1145


Mate. ANTIQUE & INTERIORS(マテ アンティーク アンド インテリア)


Mate.は、目黒消防署の向かいのビルの2 階が店舗、3 階が工房になっている。表に「Antique」とある、隠れ家的な雰囲気だ。1 点ものの欧米のアンティーク・ヴィンテージ家具などを買い付け、3 階の工房で修復する。2 階の店舗は思ったより広く、家具、オブジェ、ガラス、食器、照明などが置かれている。産地にこだわらず、素材・作りを重視して買い付けるオーナーの意向で、その時々に展示するものが違うため、「お店の感じが依然と全然違うね」というお客さんが多いそうだ。

お洒落なワイングラスもあれば、可愛らしい置物や、映画に出て来るようなバスタブなど多種多様だ。お店の名前の「マテ」は、マテ茶から取ったとか。南米の人たちのエナジードリンクだが、人に知られていない。けれど身体にいい、そんな存在を目指しているとか。「こんな物が入りましたよ」と、お得意様には連絡をしているそうだ。一度お店のファンになったら、入ってくるものが気になって仕方がないのだろう。個性的なアンティークショップだ。

住〕目黒区中町1-7-7 2 階、3 階 〔問〕03-3793-6661


おおた かずひこ
グラフィックデザイナー、作家。著書に本欄が一冊になった『太田和彦の東京散歩 そして居酒屋』の他、『酒と人生の一人作法』など多数。


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