藤 竜也

「僕にとって映画は、そこで生まれて育って置いていく、自分の町、故郷という感じでしょうか」

撮影:2019年11月22日 東京 目黒にて
 Photo:言美歩

2019年は3本の映画に出演しましたが、2020年も映画で幕が開きます。近浦啓監督の長編デビュー作で、監督自身が脚本も手がけた『コンプリシティ/優しい共犯』です(2020年1月17日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開)。日本における外国人労働者の問題を扱うなかで、劣悪な職場環境から逃げ出し不法滞在者となってしまった中国人青年がアイデンティティを求める姿を描いた映画です。すでに、世界の多くの映画祭で高い評価を得ている作品です。

僕が演じるのは、青年が他人のIDを使い働くことになった山形の蕎麦屋の主人・弘で、青年と親子のような情愛を通い合わせることになります。近浦監督との出会いは6年前です。

高校時代に、彼が生まれる前年に公開された大島渚監督の『愛のコリーダ』を観て以来、いつかこの役者と作品を作りたいと思い続けてくれたそうで、11分の短編映画ながらと恐縮しながらも彼の初監督作『Empty House』に出演依頼をしてくれました。彼の脚本を〝風流〟だと感じ、出演を快諾しました。今回、記念すべき監督の長編デビュー作に出演できたことは実に嬉しい。

僕は、出演を受けるか否かは脚本で決めるのですが、出演してきた作品を観ると、どんな俳優だったのかということがわかります。だから、いい加減に作品を選ぶことはできない。作品を選んだ理由には責任がありますからね。軋轢のあるところに、ドラマは生まれるわけですが、今回の映画では、その軋轢がインターナショナルだったということ。異邦人の青年の日本でのちょっと痛ましい青春、そこに袖振り合うちょっと心の寂しい老人。脚本から読み取れるなんとなく痛く、哀しく、優しいみたいなところがね、いいなと思いました。

……続きはVol.42をご覧ください。


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