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泉屋博古館東京 企画展「もてなす美─能と茶のつどい」

 かつて室町時代に観阿弥・世阿弥によって大成した能は江戸幕府の時代に入って式楽として栄えるに至り、武士が修める教養の一つにもなった。住友家でも第九代当主・知聞(ともひろ=1787-1853)が、能を通して武家と交流していたと記録に残されていたという。

 後年、第十五代当主となった住友吉左衛門友純(ともいと、号・春翠、1864-1926)が能を好み、時には春翠自身も舞や能を披露することもあり、そのための能面や能装束、楽器類の収集に力を入れコレクションを形成していった。その指南役ともいえる能楽師・大西亮太郎(1866-1931)は、たびたび饗応の一環として春翠の催した茶会にも招ばれており、記録からは茶の湯の友として親しく交流していた様子もみられる。
 本展では、能にまつわるコレクションとともに茶席でもちいられた諸道具も展示され、近世以来の住友家の「おもてなしの美学」をうかがい知ることで日本の伝統文化に触れる貴重な展覧会である。

《紺地桐卍字散模様袷狩衣》江戸時代・18世紀 泉屋博古館東京
《小井戸茶碗 銘 筑波山》朝鮮時代・16世紀 泉屋博古館東京


2025年秋季 企画展「もてなす美 ―能と茶のつどい」
会期:2025年11月22日(土)〜2025年12月21日(日)
会場:泉屋博古館東京  東京都港区六本木1丁目5番地1号 Google Map
開館時間:11:00〜18:00※金曜日は19:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、11月25日(火) ※11月24日(月・休)は開館
入館料:一般1,200円、学生600円、18歳以下無料
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
【泉屋博古館東京 公式サイト】https://sen-oku.or.jp/tokyo/



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