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キムラ緑子のパワフルでダイナミックな歌とダンスで、令和の正月に笠置シヅ子をよみがえらせる!『わが歌ブギウギ—笠置シヅ子物語―』

 戦後の歌手で「ブギの女王」と言われた笠置シヅ子をモデルにした、2023年のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」では、笠置役のヒロインを趣里が演じ数多くの笠置のヒットナンバーを披露した。歌謡界では一躍笠置シヅ子旋風が巻き起こり、若い世代にも笠置シヅ子の名は一躍知られることになった。

▲1948年6月29日公開のオペレッタ映画『春爛漫狸祭』(大映)での笠置シヅ子 写真提供:笠置シヅ子資料室

 
 それ以前の1987年に、NHKでは笠置シヅ子を題材にした銀河テレビ小説「わが歌ブギウギ」が放送されており、宝塚歌劇団花組の元トップスターだった故・順みつきが笠置を演じていた。生前の笠置シヅ子と親交の深かった作家・小野田勇の作による帯ドラマで、服部良一役には山本圭、シヅ子と大恋愛をする花森興行の御曹司・花森英介役に川野太郎、松竹少女歌劇団での同期の男役、コリー五十鈴にかたせ梨乃、ラク町お葉に森光子という配役だった。

 NHKドラマは好評を博し、93年には東京・三越劇場で同じく順みつき主演により音楽劇として舞台化され、94年にも大阪・中座及び全国公演で再演された。さらに、2005年の大阪松竹座、2006年の名古屋・名鉄ホール、東京・天王洲アートスフィアでは、宝塚歌劇団月組の元トップスター、真琴つばさ主演でも上演されている。

 舞台版ではドラマ版の脚本家である小野田勇の息子・小野田正が潤色・演出を担当し、初演では服部良一の息子服部克久が、再演では孫の服部隆之が音楽を担当している。

 令和初上演となる今作で笠置シヅ子を演じるのは、舞台、テレビドラマ、映画と幅広いフィールドで活躍中のキムラ緑子。キムラは、小さいころは歌手になりたかったと言うほど歌が好きで、ラスベガス生まれの日系三世の歌姫「ドリー・キムラ」に扮し、大谷亮介の「ダニー・オオタニ」とのユニット「ドリー&ダニー」として、芝居仕立ての音楽ライブをライブハウスで開催するほど、歌唱力には定評がある。

▲公開稽古よりキムラ緑子(中央)

 

 いつか笠置シヅ子を演じたいと思っていたというキムラのパワフルでハッピーな歌声に、大きな期待が寄せられている。「東京ブギウギ」「ラッパと娘」、映画『酔いどれ天使』の主題歌で黒澤明監督自ら作詞を手がけた「ジャングルブギー」など、野性的でダイナミックな歌声が披露されるに違いない。

 今作で服部良一を演じるのは最近はシャンソンの舞台にも立っている松村雄基、花森英介役は、ジャニーズJr.内ユニット・A.B.C.Jr.のメンバーとしてキャリアをスタートさせ、2018年にはブロードウェイ・ミュージカル『ロジャース/ハート』で舞台単独初主演を務め、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』などのミュージカルでも印象に残る林翔太が演じる。また、ユリー五十鈴役は笠置シヅ子と同じくOSK出身で、2005年から06年に真琴つばさ主演により大阪・名古屋・東京で上演された『わが歌ブギウギ』にも同役で出演していた桜花昇ぼるが、シヅ子と友情を育むラク町お葉役は、舞台、映画、テレビドラマと活動を続ける一色采子が務めている。演出は、本年歌舞伎座での『木挽町のあだ討ち』の脚本・演出も話題になり、新派、歌舞伎、ミュージカルなど幅広いジャンルでの作・演出を手がけている齋藤雅文が務める。

▲公開稽古より写真左から松村雄基、キムラ緑子、林翔太

 
 過日行われた公開稽古では、シヅ子のヒット曲を盛り込んだ「ブギウギ・メドレー(買物ブギ~ホームラン・ブギ~大阪ブギウギ~セコハン娘~アロハ・ブギ~センチメンタル・ダイナ~ヘイヘイブギー~東京ブギウギ)」では、キムラがダイナミックなダンスとエネルギッシュな歌声を披露した。

 服部良一役で共演している松村雄基は、「緑子さんの頭の先から声がパーンと出て、常に動いていてエネルギッシュなので、僕らが引っ張られているんです。笠置シヅ子さんがそのまま憑依しているんだと思います」とキムラ緑子に大きな信頼を寄せている。

 その信頼を受けキムラ緑子は「1月2日に三越劇場でやるのも初めてですし、初売りのお客様がいっぱいいらっしゃるところで、鏡開きとご挨拶をさせていただいて初日を迎えることになります。お客様にとっても2026年、最初に観るお芝居だと思うので、楽しい気持ちになっていただけたらいいなと願っています」と意気込みを語っていた。


『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』
作:小野田勇
補綴・演出:齋藤雅文
出演:キムラ緑子
   林翔太 松村雄基
   曾我廼家貫太郎 惣田紗莉渚 賀集利樹 一色采子 桜花昇ぼる


<東京公演>
〔公演日程〕2026年1月2日(金)~1月20日(火)
〔会場〕三越劇場(東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店 本館 6階)
〔問〕チケットホン松竹0570-000—489もしくは03-6745-0888(10:00~17:00)

<京都公演>
〔公演日程〕2026年1月24日(土)~2月1日(日)
〔会場〕南座(京都市東山区四条大橋東詰)
〔問〕チケットホン松竹0570-000—489もしくは06-6530-0333(10:00~17:00)



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