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世界が注目するデザイン集団の秘密に迫る、『ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築』東京シティビュー[六本木ヒルズ森タワー52階]3月17日から

 ヘザウィック・スタジオは、1994年ロンドンで設立された今や世界が最も注目しているデザイン集団のひとつである。創設者はトーマス・ヘザウィック(1970年、英国生まれ)。ニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地に数々の革新的な建築物を生みだし話題を提供してきた。

 子どもの頃から、職人が魂を込めてつくった小さなものをみるたびに心躍らせていたトーマス・へザックであるが、大きな建築物や空間にも魂を込めることはできるのかという自らの問いかけがヘザウィック・スタジオのデザインの原点になっているという。

▲ヘザウィック・スタジオ《リトル・アイランド》2021年 ニューヨーク 撮影:ティモシー・シェンク
▲ヘザウィック・スタジオ《新ルートマスター(市バス)》2012年 ロンドン 撮影:イワン・バーン

 本展では、彼らが試行錯誤を重ねた多様なプロジェクトの模型や素材のサンプルが展示される。特に、ロンドン市内を走る二階建てバスも50年ぶりにへザウィック・スタジオがデザインをリニューアルしたが、高さ4メートルを超える原寸大型模型(部分)は、天井高11メートルの展望台吹き抜けの大空間を活かした迫力のある展示だ。その他にも《上海万博英国館》、ロンドンの《コール・ドロップス・ヤード》、上海の《サウザンド・ツリーズ》、ニューヨークの《リトル・アイランド》、そして東京の《麻布台ヒルズ低層部》といった彼らの仕事は、まさにアートであるといえよう。

▲ヘザウィック・スタジオ《麻布台ヒルズ/低層部》2023年(予定)東京 ⒸDBox for Mori Building Co., Ltd.

 本展はヘザウィック・スタジオの仕事を「ひとつになる」「みんなとつながる」「彫刻的空間を体感する」「都市空間で自然を感じる」「記憶を未来へつなげる」「遊ぶ、使う」という6つの視点で構成される。

 会場には遊び心いっぱいの回転椅子《スパン》に座って展望台から景観を楽しむといったスペースも設けられている。主要プロジェクト28件から、建築のもつ美しさ、優しさ、知的な興奮、共感を再確認できるのではないだろうか。

『へザウィック・スタジオ展:共感する建築』は3月17日(金)~6月4日(日)開催、会期中無休。

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