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「鎌倉市川喜多映画記念館」開館15周年記念、アラン・ドロンもフランソワ・トリュフォーも来ていた!【企画展 鎌倉・川喜多邸を訪れた映画人】8月2日(土)から。

 2010年というから、ちょうど開館して15周年になる「鎌倉市川喜多映画記念館」。戦前戦後を通じて国際的映画人として知られる川喜多長政、かしこ夫妻の旧邸宅だった。

 
 戦前には『自由を我等に』、『制服の処女』、『会議は踊る』、『望郷』などを日本に紹介し、戦後になると『天井桟敷の人々』、『第三の男』、『禁じられた遊び』、『黒いオルフェ』など、いずれも映画史上不朽の名作といわれる数々のヨーロッパ映画を輸入。夫妻の存在があればこそ日本人はヨーロッパ映画の文化を知り、世界の窓が開かれた。また、『新しき土地』で日本初の国際合作映画を制作し、『羅生門』のヴェネツィア映画祭への出品に尽力し、以後も『七人の侍』、『雨月物語』など数多くの日本映画を海外に紹介してその普及に努めた立役者こそ川喜多夫妻だった。

▲やぐらにて、フランソワ・トリュフォー(中央)、マリー・ラフォレ(右)らフランス代表団と川喜多長政(左)(1963年)

 
 当然、旧邸宅時代からこの地には、田中絹代、笠智衆はじめアラン・ドロン、ヴィム・ヴェンダースら国内外の映画人が訪れた。まさに国際的な映画人たちの交流の場となり、川喜多夫妻の心をこめたもてなしは、やはり映画に生涯をささげた一人娘の和子さんにも引き継がれていった。かつて練馬で暮らした哲学者・和辻哲郎の民家を移築し、現在も残されている旧川喜多邸別邸(普段は非公開)には、訪れた映画人たちをもてなした当時の様子をうかがい知ることができる。(会期中の公開指定日あり)

▲川喜多邸にて、サタジェット・レイと川喜多かしこ(1966年)



 15年の時を経て、川喜多夫妻の映画界への貢献をあらためて振り返るのはもちろん、かつてこの地を訪れた映画人との交流を紹介し、かしこ夫人の著書『映画が世界を結ぶ』の題名そのものを感じることができる、開館15周年記念の企画展「鎌倉・川喜多邸を訪れた映画人」が、8月2日(土)~11月24日(月・振替)の期間開催される。会期中には、別邸の解説付き見学会や関連上映、トークイベントなども見逃せない。




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