ケーブルカーの駅までの382段の参道の両脇には土産物屋や豆腐料理や蕎麦を食べさせる店、旅館などが立ち並び、手焼きの〈大山せんべい〉などを買い食いするのも楽しい。ぶらぶらと歩くこと約15分、いよいよケーブルカーでまずは終点の阿夫利神社下社まで向う。所要時間はわずか6分。大山は、標高1252メートルの独立峰で、山頂に阿夫利神社本社があり標高700メートルの中腹に下社がある。
江戸の庶民たちは整備されていない山道をどのように登ってきたのだろう。「すごいながめですね、江の島が見えますよ」と眞島さんが指差す先に江の島が浮んで見えた。三浦半島から房総までが望める。「それに、エネルギーが満ちてくるような空気感がありますね」という通り、この地はパワースポットとしても人気があるようだ。
「お茶でも飲んで休憩しませんか」と声をかけてくれた茶店のおばさんの厚意に甘えて一息入れて、ケーブルカーの途中駅大山寺まで下ることに。乗り降り自由のフリーパスがやはり便利だ。