1972年ニューヨーク近代美術館で個展を開催するなど、早くから国際的な知名度を得て来た画家・横尾忠則。難聴など肉体的なハンディキャップに次から次へと見舞われてきた88歳の現在も、驚異的な創造力を発揮し制作を続けている。
2023年春からは、テーマを決めずに大きなキャンパスに向かっているうち、横尾の「連歌」ならぬ「連画」制作が始まった。横尾が好んで制作するのは、多くの人がどこかで見かけているであろうイメージである。本展の起点となったのは、1970年に横尾が兵庫県西脇の故郷で同級生たちとともに収まる写真で、それは、篠山紀信が撮影したものだった。22年後、写真集『横尾忠則 記憶の遠近術』に収録され、序文は1970年に自決した三島由紀夫が遺した横尾論だった。この写真にインスピレーションを得て、1994年に《記憶の鎮魂歌》(横尾忠則現代美術館蔵)という大作を描いたのだが、本展はこの作品から始まり、約60点の新作が続く。
その日その時の肉体からしか生まれてこない色、筆触、かたちが、150号(約182×227㎝)を中心とする大きなキャンバスに踊り、流れ、変化していく。王道の「絵画」に向き合う快感を味わえる展覧会である。

横尾忠則 連画の河
会期:2025年4月26日(土)〜6月22日(日)
会場:世田谷美術館
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日 ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館。5月7日(水)は休館
観覧料:一般1,400円、65歳以上1,200円、大高生800円、中小生500円、未就学児は無料
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:横尾忠則 連画の河 | 世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM
観賞券プレゼント:5組10名様
応募〆切:4月20日(日)