現在開催中の2025年大阪・関西万博では会場デザインプロデューサーを務めるなど、いま、最も注目される建築家の一人、藤本壮介の活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトを網羅した大規模個展「藤本壮介の建築:原初・未来・森」が7月2日(水)に森美術館で開幕した。
藤本の約30年にわたる歩みや建築的特徴、思想が埋め込まれ、回顧展というより現在進行形で、しかも未来に向かいこれからの方向性を模索する展覧会になっている。
本展は、「思考の森」「軌跡の森─年表」「あわいの図書館」「ゆらめきの図書室」「開かれた円環」「ぬいぐるみたちの森のざわめき」「たくさんの ひとつの 森」「未来の森 原初の森─共鳴都市2025」という、8セクションの構成になっている。
冒頭のコーナー「思考の森」では、広い空間にこれまでの100を超えるプロジェクトが紹介されているのだが、一つ一つ丁寧に作られた模型をみると、藤本はじめこのコーナーに携わった方たちの建築に対する愛情がヒシヒシと伝わって来る。また、2025年大阪・関西万博のシンボルで世界最大の木造建築物《大屋根リング》(2025年)の5分の1の模型や2031年竣工予定の《仙台市(仮称)国際センター駅北地区複合施設》の5分の1の大型吊模型は圧巻である。
森美術館では過去に何度か建築に関する企画展を開催してきたが、単に設計図面や模型、竣工写真を展示する専門的な従来型の建築展ではなく、現代美術館ならではの建築展の可能性を探求して来た。それを実現すべく、ダイナミックな展示の中に細かい配慮と温かさを感じる展示内容で、建築の面白さを発見できる展覧会である。ゆっくり時間をかけてみたい現代美術館ならではの建築展である。

© Sou Fujimoto Architects

藤本壮介の建築:原初・未来・森
会期:2025年7月2日(水)~11月9日(日)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
開催時間:10:00~22:00(火曜日のみ17:00まで)
*入館は閉館時間の30分前まで
*会期中無休
*ただし8月27日(水)は17:00まで、9月23日(火)は22:00まで
入館料:平日:一般2,300 円、学生1,400円、中学生以下無料、65歳以上2,000円
土・日・休日:一般2,500円、学生1,500円、中学生以下無料、65歳以上2,200円
*事前予約制(日時指定券)を導入。
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
森美術館ウェブサイト:www.mori.art.museum
観賞券プレゼント:5組10名様
応募〆切:7月25日(金)