2021 年4月、クーデター後のミャンマーで取材中に、市民の抗議デモを支持したなどとして拘束され、約2年に渡って刑務所に収容されていた、日本育ちのミャンマー人映像作家ティンダンの2 作品が、同時上映される。1作は、小さな行動が、見知らぬ誰かの運命を狂わせ、あるいは救っていく様を描く群像劇『めぐる』。もう1作は、監督が自分自身の境遇をテーマに作り上げた、日本に移住してきたミャンマーの兄弟が居場所を見つけていく物語『エイン』。(“エイン”とはミャンマー語で「家」。)
『めぐる』は、就職活動に奔走する女子大生、吐きダコのある少女、崩れかけた家族を抱える息子と父親、学校でいじめを受ける少女。すれ違う人々の人生が、一本の電車の遅延をきっかけに静かに交差してゆく。時に残酷で、時に愛おしい人間の姿を描きながら、「他人の人生に思いを馳せること」の意味を問い直す。社会の騒がしさに埋もれてしまいそうな“声なき声”に、ほんの一瞬でも耳を傾けることができたなら――。そんな想いを込めた、静かで切実な群像劇。脚本は『おじいちゃん、死んじゃったって。』『愛に乱暴』の山﨑佐保子。ボンダンス国際映画祭・最優秀短編賞、ライジングサン国際映画祭・日本短編映画部門グランプリ、小布施短編映画祭・鴻山部門作品賞、ワッタン映画祭・審査員特別賞を受賞。
『エイン』の主人公は、家族でミャンマーから移ってきて1年になるアウンメイン。ティンダン監督が、7歳で来日した自身の経験をもとに、「人間関係」、「アイデンティティ」、「家族」をテーマに、周囲の全てが敵のように見えていた思春期の少年が、純粋な弟と家出することで成長する姿を描く。本作は、日本映画学校(現・日本映画大学)の卒業制作作品で、16mmフィルムで撮影。アジアフォーカス・福岡映画祭及び伊参スタジオ映画祭に正式出品され、出演した光石研が2025年の「アナザースカイ」で取り上げた。
2作同時上映で3月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開される。
『めぐる』制作/配給:合同会社CHAMP ASIA 配給協力:NEGA
『エイン』制作/配給:合同会社CHAMP ASIA 配給協力:NEGA
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応募〆切:3月2日(月)