アメリカ建国250周年となる記念の年に、スミソニアン国立アジア美術館のコレクションが里帰りする。本展に出品される浮世絵・新版画は、ロバート・O・ミュラー(1911-2003)が蒐集し寄贈したものである。彼はディーラーとして米国に新版画を広める役割を果たした一方で、約4,500点のコレクションを形成し、なかでも絵師の吉田博、伊東深水、川瀬巴水などの作品を含む新版画コレクションは、世界最高峰と言われている。
浮世絵は、明治時代に入ると銅版画や石版画などの印刷や写真技術が進み、さらに新聞や雑誌など新しいメディアの台頭により、「黄昏(トワイライト)」の時代に向かった。その黄昏期に、最後の浮世絵師と言われる小林清親は、江戸情緒を残す景観を移ろいゆく光と陰翳の中に描き、その作品は、「光線画」と呼ばれ人気を博した。
浮世絵の技術を継承し、新しい時代の版画を創造しようとした版元の渡邊庄三郎は、浮世絵に興味を持つカペラリやバートレットといった外国人画家、洋画家の吉田博や日本画家の伊東深水らに働きかけ、浮世絵研究に基づき、新しい技術も加えて世に出された「新版画」は国内外で脚光を浴びた。「新版画」のホープといわれた絵師が川瀬巴水である。巴水は日本各地を旅して写生した作品を数多く残し、清澄庭園や岩﨑小彌太の等も別邸なども描き三菱ともかかわりが深い。
本展のタイトルは、「浮世絵」が、徐々に衰退し、黄昏(トワイライト)の時代を迎えることになったことと、作品に描かれた黄昏時(トワイライト)の2つの意味が込められている。時を経て里帰りした貴重な作品を堪能したい。
トワイライト、新版画 ―小林清親から川瀬巴水まで
会期:2026年2月19日(木)~5月24日(日)
会場:三菱一号館美術館
開館時間:10:00~18:00 (祝日除く金曜日、第2水曜日、会期最終週平日は20時まで)※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:祝日・振休を除く月曜日、但し、開館記念日の 4/6、トークフリーデー[2/23、3/30、4/27]、5/18 は開館
観覧料:(当日)一般2,300円、大学生1,300円、高校生1,000円
HP:https://mimt.jp/ex_sp/shin-hanga/
観賞券プレゼント:2組4名様
応募〆切:2月28日(土)