石坂浩二と浅丘ルリ子が主演し、人気絶頂の美男美女の初共演ドラマ、しかも夫婦役を演じるということで、放送前から各メディアでも大きな話題を呼んだのが、1971年に日本テレビ系で放送された「2丁目3番地」。当時、都会的なスタイリッシュの代名詞だった浅丘が生後3か月の赤ん坊を抱えて美容院を経営する強い妻を演じれば、人気二枚目俳優の筆頭だった石坂は、〝髪結いの亭主〟そのままに、生活力のないテレビディレクターで、妻に頭の上がらない夫役という、倉本聰による脚本も評判を呼んだ。2人はこの共演をきっかけに実生活でも恋におち、収録中に婚約を発表し、ドラマ終了後1か月あまりで挙式した。週刊誌やテレビは連日のように、2人の結婚を報道していた。ちなみに本作に出演していた、寺尾聰と范文雀も、共演をきっかけにゴールインと相成った。
そして、その1年後には続篇となる「3丁目4番地」が放送された。石坂、浅丘の結婚後初めての共演ドラマで、続篇とは言っても、前作とは設定が違っていた。下宿屋を舞台に、石坂は、浅丘演じる人気ディスクジョッキーの同僚アナウンサーという役柄で、原田芳雄を交えての恋愛模様が描かれた。前作に続き、森光子も浅丘の母親役で出演し、寺尾聰も続投。そのほかにも、森光子の従兄妹に当たる嵐寛寿郎、大原麗子、岡崎友紀らが出演していた。その主題歌が、ビリー・バンバンが歌った「さよならをするために」である。作詞を手がけたのは石坂浩二、そして作曲は坂田晃一だった。