松田聖子、田原俊彦、近藤真彦らと同じデビュー45周年の〝ラブソングの王様〟鈴木雅之と「My Soul Sister」鈴木聖美との「ロンリー・チャップリン」は、ファンが選ぶナンバーワン!

 
 ここでもう一人忘れてはいけないのが、1980年2月25日「ランナウェイ」でデビューしたグルーブ「シャネルズ」のリードボーカル鈴木雅之だ。「シャネルズ」は、83年「ラッツ&スター」に改名し、86年から鈴木はソロになっている。

「シャネルズ」がデビュー曲「ランナウェイ」を歌う姿をテレビで初めて見たときは、吃驚するほどインパクトが強かった。派手なラメのタキシードを着た10人の男性、そのうちメインボーカルの4人は顔を黒く塗り白い手袋をしていた。「ランナウェイ」は、元は音響機器メーカーのラジカセ「ランナウェイ」のCMソングとしてつくられ、当初は1コーラス分のレコーディングだったが、CMの反響からレコード化が決まり歌詞とメロディーを付けてシングルとしてリリースされたものだ。鈴木の低く太い声が安定し、男性コーラスのメロディーと上手く溶けあう曲だった。これは1950年代にアメリカの黒人音楽グループに流行った「ドゥーワップ」を基調にするものだったが、「シャネルズ」が歌うことで新鮮さを感じたこともヒットの要因だったと思う。デビュー曲にしてミリオンセラーとなった。


「ラッツ&スター」は、英語表記にすると「RATS & STAR」となる。日本語にすれば「ドブネズミたちと星」を意味し、下町育ちのドブネズミたちが「ドゥーワップ」を歌うと「RATS」がひっくり返り「STAR」になる。そして「ドゥーワップ」にとらわれないグループをめざしたこともあるようだが、化粧品メーカーの「シャネル」と表記が似ているので、クレームもあったとか。改名後の1曲目は化粧品メーカーのアイシャドーのCMとして「め組のひと」が起用され、モデルのVサインを横にした最後の「め!」の決めポーズが流行った。こちらも80万枚を売り上げる大ヒットとなった。

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