「ロンリー・チャップリン」は、銀座の宝飾店のCMソングとして起用されるとじわじわとチャートが上がり、男女がペアで歌うデュエット曲の定番になっていった。筆者自身も、このデュエット曲が好きになり歌いたくなって、まずは嫌がる弟をカラオケ店に連れていきトライしてみたのだが、鈴木姉弟のような音楽的センスが私たちにはなかった。以後、姉弟でカラオケに行くことはない。
鈴木雅之45周年に際し、「ファン900人が選ぶ最強人気曲トップ10」というアンケート結果が、あるレコード会社から発表された。それによると、ナンバーワンに輝いたのが何と「ロンリー・チャップリン」だった。50代の女性は、──カラオケ全盛期のバブル時代、この曲をよく歌いました。でもマーチン(雅之)のパートをきちんとハモれる男性が少ないんです──などのメッセージも寄せられていたが、これにも頷いてしまった。
因みにトップテンにランキングされたのは、10位「街角トワイライト」、9位「別れの街」、8位「ガラス越しに消えた夏」、7位「ランナウェイ」、6位「違う、そうじゃない」、5位「め組のひと」、4位「夢で逢えたら」、3位「もう涙はいらない」、2位「恋人」となっている。どの曲もサビが浮かんでくる。
45年間一筋に歌い続けて来た鈴木雅之は、サングラスと口ひげという出で立ちで、それを一貫しているのも見事だ。これからも痛みも優しさもいろいろな思いをすべてキャッチボールできるラブソングを歌い続けてくれることだろう。
文=黒澤百々子 イラスト=山﨑杉夫