街へ出ようコンサートを聴きにゆく

~一度は訪ねたい名ホール~

 

大オーケストラの交響曲を大きなホールで聴く大音響の迫力は、 胸躍り心に響いて何にも代えがたい。
大枚はたく甲斐がある。
だが待て、街には中型の名ホールが数あり、その規模に合わせた見事なコンサートが企画されているのをご存知か。
演奏者の息遣いを感じられる室内楽にふさわしいホール、指揮者の一挙手一投足を間近に音の波にたゆたう贅沢な空間がある。
時には街の名コンサートホールで耳を澄ませたい。

撮影:飯田安国

 昨年の秋、大阪フェスティバルホー ルで、一週間の間に大きなコンサートが二つ開かれた。

  一つは、ウィーン・フィルハーモニー 管弦楽団、指揮クリスティアン・ティー レマン。曲目はR・シュトラウス交響 詩「ドン・ファン」、オペラ「ばらの 騎士」組曲など。料金S席3万7000円、いちばん安いE席1万2000 円。あと一つは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮ズービン・メー タ。曲目はブルックナー交響曲「8番」、 R・シュトラウス交響詩「ドン・キホー テ」など。料金S席4万3000円、 E席1万8000円。案内は「あなた はウィーンフィル派? ベルリンフィ ル派?」と結ばれる。

  ウィーンフィル、ベルリンフィルといえば世界最高峰のオーケストラ。指揮の二人は、今あぶらの乗った現役最巨匠は万人の認めるところ。それが同 時来日して、相次いで公演するとは。 私の好きな作曲家の双璧はR・シュトラウスとブルックナーでCDもいっぱい持っている。これだけの内容が出そろうことは二度とないだろう。

  では行ったか? 行けなかったです、くやしいです、グヤジーでしゅ。ウィーンフィル派で もベルリンフィル派でもありまっしぇん。そんなにお金はないです。

 

都会の夜の喧騒が 嘘のような音楽空間

 

  ひろげたのは集めてきたちらし。 「紀尾井ホール クラシック×ジャ ズ2020 細川千尋プレイズ・ビル・ エヴァンス  ラヴェル・ジャズ」か。  

 ジャズも好きで、若い美貌の女性ジャズピアニスト細川千尋の名は知っている。故ビル・エヴァンスの内省的なジャズピアノはファンが多い。ラヴェルはもちろんフランス近代の作曲家。ジャズとクラシックの融合はおもしろそうだ。全席指定5000円。よし、行ってみよう。

……続きはVol.43をご覧ください。

おおた かずひこ 

グラフィックデザイナー、作家。著書に「BARへ行こう」(ポプラ新書)他多数。 中古レコード店巡りや、オーディオ機器にも凝るなど大の音楽ファンである。


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