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昭和の名優たちを偲ぶ「映画俳優之碑」

文&写真 上田 尚也  (東京都稲城市


調布の撮影所に近い児童公園に三つの碑からなる「映画俳優之碑」というものがある。

調布が映画の町だからなのだろうか詳しいことはつまびらかでないが、なんの変哲もない何処にでもありそうな公園内で、この碑だけがやけに堂々とした佇まいで異彩を放っている。

それもそのはず、大スターから脇役まで四百名を超える俳優の名が映画人として生きた証となって刻まれているからだ。

戦後から昭和三十年代にかけて映画が全盛だった頃、皆、命がけでその肉体を映画に捧げ、情熱を持ち手を抜くことがなかったからこそ後世に残る作品がたくさん生まれたのだろう。

まさに碑に刻まれた森繁翁の言葉の通り「その生涯を映画に生く」である。

名前をたどっていくと、ほとんどの方が鬼籍に入っているのが残念でならない。

出来ることなら当時の話を聞いてみたかった方々ばかりだ。

あの時代の映画人としての誇りを感じることのできる多くの人に知ってもらいたい碑である。

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