鹿子木孟郎(かのこぎ たけしろう)はフランス・アカデミスムで学んだ正統的なリアリズムを日本へ伝え、その重厚で堅牢な油彩画が高い評価を受けた近代日本洋画の巨匠である。回顧展はこれまで2回開催されているが、2001年に府中市美術館で開かれた展覧会以降、触れる機会は限られていた。本展は東京でも約四半世紀ぶりとなる、本格的な回顧展である。
本展では、文部省美術展覧会や太平洋画会の展覧会出品作をはじめ、師ジャン=ポール・ローランスの作品、あるいは今回の調査で発見された新出作品を含む、約130点から鹿子木の画業が紹介される。
鹿子木は「正確に物を観、それを再現すること」を最も大切にしていた。多数の不同舎時代の風景スケッチや渡欧期の裸体人物写生から、鹿子木の写実表現の形成と展開を観賞できることだろう。
特筆したいのは、住友家15代当主・住友春翠は、鹿子木のフランス留学の支援をしていたことである。鹿子木は春翠に師・ローランスの代表作や自作の模写、その他の西洋名画を仲介しておさめるなど、住友家と深い交流を続けた。本展では、、近代における洋画家支援の様相、また画家とパトロンの親しい交流も紹介される。


特別展 生誕151年からの鹿子木孟郎 ―不倒の油画道―
会期:2026年1月17日(土)~4月5日(日)
前期:1月17日(土)~2月23日(月・祝)/後期:2月25日(水)~4月5日(日)
会場:泉屋博古館東京(港区六本木1-5-1)
開館時間:11:00~18:00 *金曜日は19:00まで開館 入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 2月24日(火) ※2月23日(月・祝)は開館
入館料:一般1,500円、学生800円、18歳以下無料
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://sen-oku.or.jp/tokyo/
観賞券プレゼント:5組10名様
応募〆切:1月12日(月・祝)













