2026年のNHK大河ドラマは「豊臣兄弟!」である。主人公は豊臣秀吉の弟である豊臣秀長で、秀長役は仲野太賀、兄の秀吉役は池松壮亮が演じる。これまで「豊臣秀吉」については、様々な書籍や映画、ドラマで描かれてきたが、当時の世界情勢、現代政治の視点、法制史的意義、そして皇室という観点で迫った『秀吉再考』が、ワニブックスから刊行された。著者は、憲政史研究家の倉山満。来年の大河ドラマの前に一読したい書籍である。

著者:倉山満
ワニブックス刊
発売日:2025年10月28日
価格:1,650円(税込)
ISBN:978-4-8470-7578-0
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https://www.amazon.co.jp/dp/4847075781
本文より一部抜粋
日本人で知らない人はいない、不世出の英雄です。それでいて、秀吉を描くのは極めて難しいのです。
なぜ、難しいのか。
秀吉は江戸時代から昭和の敗戦まで、そして戦後しばらくは、〝日本一出世した男〟として明るい善玉のイメージで描かれるのが、もっぱらでした。しかし、二十世紀が終わりになるころから、その残虐性が強調されるようになってきました。
秀吉を善玉として描くか、悪玉として描くか。はたと悩んだのですが、結局ありのままの秀吉を、ありのままに描けばいいのだと気づきました。本書は秀吉の最新研究を踏まえ、ありのままの秀吉をありのままに描きます。
ただ、それでもやはり、秀吉が難しいのに変わりありません。なぜなら、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の、いわゆる〝三英傑〟の中で、秀吉だけは本物の天才だからです。(中略)
秀吉の何がどう凄いのか。
本書では、当時の世界情勢の流れを俯瞰し、現代の政治を読み解くにも使える視点を使い、秀吉の法制史的意義を提示し、そして皇室の役割を見直します。(本文より)













