韓国ドラマ「サイン」、映画『最後まで行く』をはじめとするヒットメーカーのチャン・ハンジュンが監督をつとめ、韓国エンタメ界を代表する才能が結集した『リバウンド』が4月26日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショーとなる。韓国では珍しくバスケットボールを題材にした青春映画だ。
ときは2012年。釜山中央高校のバスケットボールチームは廃部寸前。かつては全国優勝もしたことがあったが、低迷を続けていた。新任コーチ、カン・ヤンヒョン(アン・ジェホン)は、高校時代バスケットボール選手で、MVPに選ばれた経験もあるが、廃部寸前の弱小バスケットボール部の新任コーチに抜擢される。
俳優の六角精児に風貌が似たヤンヒョンコーチは、部の再建のためまずは選手集めに翻弄する。苦難の勧誘が実り、入部したのは天才といわれながら伸び悩むギボム、足首の怪我で競技を断念したギュヒョク、サッカー選手出身のスンギョ、路上バスケットで腕を磨いたガンホたち。そこに有力選手のジュニョンが加わって全国大会を目指したが、ジュニョンは対戦相手の強豪校に電撃移籍してしまい、選手たちは動揺し乱闘騒ぎを起こして試合は没収。いよいよ廃部かと思われたが、ヤンヒョンコーチは、もう一度選手を招集し、奇跡のような快進撃ドラマが生まれる。
本作は、2012年当時の全てを忠実に再現した。400人に及ぶオーディションで選ばれた俳優たちが演じる登場人物の名前は全員実名である。撮影も実際の釜山中央高校で行い、リアリティを追求している。8日間の試合が行われた体育館は建て替えられていたため、似た施設を探し出して、撮影を敢行。オーディションで勝ち抜いた俳優たちは、全員が基礎からみっちりトレーニングを積み、本当にワンチームになっていた。もうそれ以上うまくならないで、と懇願された人もいたとか。
カン・ヤンヒョンコーチを演じたアン・ジェホンは、まず外見からコーチ本人をコピーした。1週間で10㎏体重を増やし、試合の映像をみてしぐさや癖、話し方などのキャラクターづくりに専念したという。手に汗握る試合には、カンコーチが監督を務める朝鮮大学バスケ部が撮影に参加し現場を盛り上げた。俳優たちは、プロのバスケットボール選手になりきり、アン・ジェホンもプロの熱血コーチそのものだ。
スポーツを題材にした映画は数々あるが、『リバウンド』に惹きこまれ感動するのは、寄せ集めの選手が、新人コーチの下で、予想を覆す快進撃を続け、韓国中を驚きと感動を呼び起こした実話を忠実に再現しているからだろう。
タイトルの〝リバウンド〟は、バスケット用語で、シュートを打ったが、リングに入らず、バックボードなどにあたって跳ね返って来たボールを奪うことである。「バスケットボールはリバウンドを制するものがゲームを制する」と言われている。
コーチは「誰でもシュートが入らないときがある。いや入らない方が多い。でもその瞬間、努力次第でチャンスが生まれる。それがリバウンドだ」と、選手たちを奮い立たせる。バスケットボールのみならず、誰の人生にも言えることではないだろうか。
爽やかな感動は明日への活力になる。多くの人たちにエールが贈られる作品である。
『リバウンド』
4月26日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督:チャン・ハンジュン
脚本:クォン・ソンフィ キム・ウニ
出演:アン・ジェホン イ・シニョン チョン・ジヌン(2AM) チョン・ゴンジュ キム・テク キム・ミン アン・ジホ
配給: KADOKAWA、 KADOKAWA Kプラス
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