令和に輝く男たち

『「桐島です」』に続いて『安楽死特区』で主役を演じる俳優・毎熊克哉。一瞬をスクリーンに焼き付けるという映画に魅せられる

 毎熊克哉の俳優としての仕事を最初に観たのは、連続テレビ小説「まんぷく」、源孝志作・演出の「京都人の密かな愉しみ Blue 修業中」といったテレビドラマあたりからで、そこから遡って映画『ケンとカズ』を観て、城定秀夫監督の『私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください』『私の奴隷になりなさい第3章 おまえ次第』を観るにいたり、毎熊克哉という俳優が、特に表情が気になり始めた。AIでは読み取れないアナログならではの表情とでもいうのか、それは『「桐島です」』『安楽死特区』においても言える。立て続けに2作の映画に主演した毎熊克哉にとって、今、映画とはどんな居場所なのだろうか。

「2作続けて高橋伴明監督の映画の現場で、しかも『安楽死特区』なんてド級の布陣の役者、スタッフのみなさんが集まった作品に出させていただいて心身共に震えました。テレビ、舞台、配信といっぱいあるなかで、ぼくは映画のスクリーンに憧れてこの世界に入ってきました。映画というと、録画するのではなく焼き付けるという表現がしっくりきます。現場の緊張感の中で焼き付けられた一瞬がスクリーンに映し出され、観客はそれをダイナミックに感じ取ることができる。それが映画の魅力ですよね。
 先輩たちのさらにその上の先輩たちから受け継いできた何かが自分のところに回ってくる。それはすごく重たいことだし、喜ばしいことでもあると感じています。これからもスクリーンへの憧れを持ち続けて、たくさん映画を残していきたいですね」
『「桐島です」』と『安楽死特区』という2本の映画で、俳優としてのそれぞれの表情を見せてくれた毎熊克哉。次回作は、とついつい期待したくなる。



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