女優の倍賞千恵子さんが主演の最新作、映画『PLAN 75』が第95回米国アカデミー賞(R)国際長編映画賞部門の日本代表に決定したことから、コモレバWEBマガジンでは、「映画女優 倍賞千恵子」の特集を蔵出しアップしました。
『プラン75』は、75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障し、支援する国の制度「プラン75」が施行された社会で、その制度に翻弄される人々の姿を描いています。公開から2ヵ月経った現在もロングランで上映を続けていますが、第75回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品され、カメラドール特別表彰を授与。第47回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門や国際映画祭へ出品が相次ぎ、現在、フランス、シンガポール、タイ、台湾など30カ国以上の国と地域で配給されます。庶民の女性の慎ましい人生を等身大で映し出してきた、主演の倍賞千恵子さん、その魅力を改めて探ってみましょう。PDFでご高覧ください。
特集 昭和の銀幕で輝く 映画女優 倍賞千恵子
庶民の女性の慎ましい人生を
等身大で映し出す清潔な色香
文=米谷紳之助
2017年7月1日号 SPECIAL FEATUREより
倍賞千恵子(ばいしょう ちえこ)
女優、歌手。東京生まれ。1960年、松竹音楽舞踊学校を主席で卒業、同年、松竹歌劇団(SKD)に入団。61年、松竹にスカウトされて同年『斑女』で映画デビュー。62年には「下町の太陽」で歌手デビューし、日本レコード大賞新人賞を受賞、翌年にはNHK 紅白歌合戦に初出場、66年まで4年連続出場している。現在も映画、テレビ、舞台と多方面の第一線で活躍を続けている。主な出演作には映画(今回紹介した作品以外に)『さよならはダンスの後に』『純情二重奏』『花の舞妓はん』『暖流』『家族』(『男はつらいよ 望郷篇』との2作でキネマ旬報、毎日映画コンクール主演女優賞、芸術選奨文部大臣賞)、『同胞』『故郷』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』(キネマ旬報、毎日映画コンクール主演女優賞)、『旅路』『植村直己物語』『キネマの天地』『虹をつかむ男』『隠し剣鬼の爪』『ホノカアボーイ』『座頭市 THE LAST』『ハウルの動く城』(声優)など、テレビドラマ「太陽ともぐら」「幸福相談」「あにいもうと」「あにき」「松本清張の顔」「まんさくの花」「あまく危険な香り」「友だち」「すずらん」など、舞台『スカーレット 風と共に去りぬ』『蒼き狼』『春の嵐』『キスミー・ケイト』『屋根の上のヴァイオリン弾き』(菊田一夫演劇賞)など多数の出演作がある。歌手としても精力的に活動を続け、現在も全国でコンサートを開催している。05年紫綬褒章、13年旭日小綬章受章。