オードリーヘプバーンの気品と美しさは、どこか脆い気がしていました。ローマの休日でアン王女を演じたからだけではない、うちから出るような気品を感じます。生前、顔がえらばっていること、鼻腔が大きいこと、スタイルのことなどでコンプレックスを感じていたのを読んで、少しだけ彼女の美しさの理由が分かる気がしました。外見の美しい人はたくさんいますが、それを当然と思っている人は表面だけの美しさで深みがないと感じてしまうのかも知れません。カポーティーがティファニーをマリリンモンローで撮りたいと言ったけどオードリーヘプバーンが演じて素晴らしい映画になりました。カポーティーがモンローに惹かれたのもモンローも美しいけれど、同じようにコンプレックスを抱えた脆さを感じたのかなと思います。人は悲しみを内に秘めて魅力を増すのかもしれません。