川本三郎さんより3つ下の私も〝苦学生〟だった。アルバイトだなんて気取って言うようになったけど、学業と仕事の両立は寝る時間を減らすことしかなかった。ガソリンスタンドは今思えば車に興味を持つきっかけになって結構面白かったが、喫茶店やスナックなど夜の仕事も良くやっていた。人手が足りなかったのだと思う。外食チェーン店の夜明け前の時代、アルバイトの僕らは店主に可愛がられていたな、と思う。何より会社に就職して人間関係に悩むなんてことはなかったのは、アルバイト時代にしっかり人間観察を学んだからだと自負している。少なくともブラックな職場などではなかった。








